しばらく間が空いてしまいましたが僕は元気です(今日は10/5)。ここから巻き返します。 さて。ジル・チャン『「静かな人」の戦略書。騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』読了。自らを「根っからの内向型」と認識する、台湾出身でアメリカで学びキャリアを積んだ著者。声の大きなコミュ力の高い人ばかりが世界を動かしていそうに思ってしまうけど、引っ込み思案で消極的な人でも大丈夫と背中を押す自己啓発本。ブックオブザイヤー特別賞を受賞し、世界中で受け入れられているという一冊。 新聞の書評で気になったので手に取りました。何を隠そうボクも内向型。人前で話すのは得意ではなく、アドリブには弱い。近所で微妙な知り合いを発見するとちょっと道を変えてやり過ごしたり、そういう感じです。なので、大いに期待しましたが、やや期待外れでした。 だって、著者は優秀すぎるんですもの! スピーチの最初に気の利いたジョークを言うのが、たとえちゃんと準備していてもどれだけ難しいか(そもそも思いつかないし!)。戦略的に得意なことで勝負するとは言うものの、勝ち筋を見出すほどの能力に恵まれていなかったらどうしたらいいのか。渡米直後で言葉も不自由だった頃に、なるべくアメリカ人と一対一の会話をするよう心がけたって、本当に内向型なのかな。 終始そういう印象だったので、ボクからするとこの本は、高い能力を持つけど内向型な人の戦略書という感じでした。自分を大きく見せようとしない、何事も入念に準備するなど、共感し学ぶべきところももちろんありましたけれど。 でも、それだけ多くの人がこの本を手にしているのだとしたら、それは内向型に悩む人がそれだけ多いということだと思います(アメリカ人も1/3は内気でシャイなんだそう!)。この本も、最近のその他のいろいろも、ありのままの自分を肯定するように説いています。でもそれって、かなり難しいことだとも思うのです。ありのままの自分でいたいとも思うし、できることなら理想の自分でもありたいと願うのが普通のような気もするから(できれば労せずに!)。 と、クダ巻いたりもしちゃったのですが、おそらく一番大事なことは自分と向き合って、自分はどうありたいのかを考えることでしょう。内向型であれ外向的であれ、それをよしとするのかしないのか。しないのであれば、どうありたいと思うのか、そのために何ができるのか。この
「よりみち」をテーマに綴ります。お出かけのような物理的なもの、心持ちのような精神的なもの、たしなみのような文化的なもの、全部ひっくるめての「よりみち」を推奨していきます。よりみちしながら、いきましょう。(ブログタイトルは『暇と退屈の倫理学』より借用。基本方針は、2022年1月1日のポストをご覧ください)