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感想_ナナイロ雷術師の英雄譚


えー、もう梅雨入りですか、早いなあ。早く明けてほしいなあ。

さて。日之影ソラ『ナナイロ雷術師の英雄譚』と、水木シュウ『ナナイロ雷術師の英雄譚』1巻、読了。前者がノベル版、後者がそれを原作としたコミック版。魔法がすべての世界で、11の属性を持ち神童ともてはやされたリンテンス。しかしある日、雷に打たれたことで、ほとんどの属性が消えてしまう。絶望に打ちひしがれるところ、聖域者のアルフォースが現れ、リンテンスを弟子にしようと告げる。唯一残された雷属性を武器に、最強を目指してリンテンスは再び立ち上がる!

異世界ものの王道的な成り上がりストーリー。能力を失ったことで両親から見捨てられるも、師匠との出会いを経て、自分を捨てた者たちを見返すために立ち上がっていくリンテンス。「雷」は男子的にはなかなかの萌えキーワード。しかもここで扱うのは色源雷術なる、七色(以上あるかな?)の雷を操るのだから迫力あります。コミックもこの絵柄が見せ場だぜ。

鬼滅の刃の呼吸よろしく、色源雷術「赤雷」「蒼雷」「藍雷」などコールとともにバトルが展開。やはりこの様式美パフォーマンスは、盛り上がります。ノベルは程よくかっちりした文体で、この雷魔術のディテールがよく考えられているなという印象。すでに超絶奥義も登場しますが、コミック1巻ではまだ赤と蒼だけなので今後が楽しみ。映像映えもしそうね。

追放からの成り上がり、ユニークスキル、師匠(無敵!)との信頼関係に学園の仲間たち(炎に精霊にケモ耳)との切磋琢磨、そして強敵たちとの邂逅と、バトルものの王道がしっかり詰まった英雄譚。楽しく読めました!

しかしながら、異世界市場はこの作品のようなバトルものがやや退潮気味の模様。バトルものは出発点もプロセスも違えど、頂点を目指すというゴールがどうしても類似してしまって、飽きられてしまうというか単調になってしまう部分もあるのかもしれないなと思いました。対して、スローライフものと言われる世界は、どちらかというと自由に水平に360度広がっていくイメージ。それはそれで収拾つけるのは難しいと思うのですが、キャラや会話をサクッと楽しめるのがネット小説らしくていいのかもしれません。奥が深いぞ、新文芸。

そんなわけで、まだまだ異世界勉強中。よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

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