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感想_心をととのえるスヌーピー

サーキュレーターと扇風機の違いを学んだ僕です。それにしても、いきなり暑さ全開ですね。

さて。スヌーピーミュージアムに行ってきたわけですが、そういえば、最近書店でよくスヌーピー本を見かけるよなと思って購入したのがこちらの本です。枡野俊明さんという曹洞宗のご住職による監修で、コミックのピーナッツに「禅」との共通点を見出し、その教えを説くという一冊。なるほどそうきたか! 昨年出版されて早くも10刷と大人気!

構成は、禅の言葉ひとつと、それに対応するピーナッツ作品が並び、解説が加わるというシンプルなもの。例えば「日日是好日(にちにちこれこうにち)」とあって、「晴れの日も雨の日もかけがえのない一日」ですよと説き、あわせて「人生には晴れの日も雨の日もあります」というマーシーの台詞が入ったコミックが添えられると。

なんたって禅の言葉なので、ちょっと心を整えてくれるような教えがたくさん出てきて、今の自分に合うものがきっと一つや二つ見つかると思います。ピーナッツと併用されるので、とても受け止めやすくて、寝る前とかにパラパラめくるのにちょうどよい感じで、「悩みが消えていく」という副題も、さもありなんというところ。

強いていうならば、僕的にはピーナッツの本質は、禅の言葉のような思想を軽くいなしちゃったり、茶化しちゃったりする茶目っ気だと思うのですよね。前述の日日是好日にしたって、マーシーの言葉を受けたペパーミントパティは「今夜の私の谷は土砂降りだわ」って返すわけで。禅というよりはリアリストかな、と。きれいごとを、きれいごとだけで終わらせない(決して馬鹿にもしてないのがいいところ)から、より悟りを開いているとも言えそうな気がしました。

ちなみに、写真の右の本は、ミュージアムで買った公式図録で、こちらはシンプルにピーナッツの作品集といった向き。巻末に作者のシュルツさんの奥さんと、落語家の春風亭一之輔さんのインタビューがありました。ピーナッツが落語とちょっと似てるというのは目から鱗。確かにね。ちなみにこちらのブックデザインは祖父江慎さん&コズフィッシュ。

何にしてもピーナッツのコミックにはユーモアと哲学が詰まっているってことは間違いないですね。

よりみちしながら、いきましょう。たまにはスヌーピーみたいに屋根の上で寝るのもいいかもね。今日も、いい1日を。

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