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感想_追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する

関東、もしかしてもう梅雨明けしましたかね? やったー。

さて。猫子著、じゃいあん作画『追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する』読了。外れクラスとされる「重騎士」を引いたエルマは内心ほくそ笑む。なぜならここは前世でやり込んだゲーム「マジックワールド」の世界そのもので、重騎士は一見使い勝手が悪く不人気だが、極めれば最強となる壊れクラスなのだ! それを知らない周囲の人間たちはエルマを嘲笑い、父は彼を追放。エルマはひとり冒険に繰り出し、重騎士を育て、最強への道を歩み始める!

無茶苦茶面白かった。無茶苦茶面白かった(2度言う)。まだそんなに多くを読んでいないのにあれですが、作者の猫子さんを、ラノベ界の東野圭吾と呼びたくなったよ。そのくらい、簡潔で無駄のない文章と、よく作りこまれた設定に魅了されたのです。コミック版も忠実に再現されていて、早く続きが読みたいぞ!

何がいいって、使い勝手が悪い重騎士という特性上、チートで無双することはわかっていながらも、いつも格上とのギリギリの戦いなので、普通にワクワクすること。使う技も、出てくる敵も、キーアイテムも、ベタなテンプレではなく、玄人好み。グールヘッドにマッドヘッドって、ビジュアルも気持ち悪すぎるだろうよ。笑 まだ序盤ですがすでに盛り上がってる上、ここからの展開もまだまだ広がりがあることが読み取れるので、先へ先へとページをめくらせる推進力に。この辺りが東野圭吾と呼びたくなる理由。

今更ながら、ゲーム世界を物語として再現するって最初に考えた人すごい。実際のゲームはプログラム通りにしか動かないけど、現実世界に落とし込んだ瞬間、あらゆる設定に意志が宿ってキャラたちも自由に動き始めるという。この作品も、ゲームよりも貨幣価値がインフレしているとか、貴族がより権力を強化しているとか、確かにそういうことは起こりうるよな、とリアルです。

ネット小説と侮るなかれ。こういう本物と時々出合わせてもらえるから、エンタメってやめられません。(まだ初心者のため、もっと前から同様の名作あるのを知らないだけかもしれませんが)

よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

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