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街角に巨大ガール埋まってる?

主なニュースソースは日経新聞とYahoo!な僕です。やはりこれはナイスミドルど真ん中なチョイスなんですかねー。 さて。そんなYahoo!で見かけた WWDの記事 で、「つのつの」さんというアーティストが紹介されていました。マーク ジェイコブスが目をつけたそうで、6/10まで日本橋で展示があるということなので、拝見してきました(↑の3枚の写真。上2枚は写真プリント購入しての複写です)。 実在の風景に、巨大な女の子キャラクターが押し込められているCG作品で、キャッチーなインパクト! その作風については、↑のリンク先で読めるので是非ご覧ください。等身大の風景に、巨大ガール、読めない表情に、夜、とアンニュイな世界観の中で、「窮屈な今」が表現されているように感じました。なにがどうしてこうなっちゃったんだ?的、社会への問いかけにも見えてきます。 同じギャラリー内で「 mini◯ 」という企画展も行われていたのでそちらも鑑賞(6/10まで。↓の2枚の写真)。ミニマルにかけて、ミニで丸い作品をオーダーしたそうで、全部が丸いキャンバスではなかったですが、ミニマルでした。いろんな作風がありましたが、目に付いたのはアニメちっくなペインティングで、つのつのさんも含めて、日本らしい作風と言えるのですかね。 若手の作家さんが中心かと思われ、販売額も数万円が中心だったので、手に入れやすい価格帯かつ小さいので飾りやすいのもいいですね。自宅に飾るならどれがいいかな〜と想像しながら見ていました。結構ほしいのいっぱいでした。 日本人だけの感覚なのかもしれませんが、キャラクターによってもたらされる二次元感は、入りやすさ、親しみやすさがありながらも、いろんなものを自由にデフォルメできて、聖俗も共存させやすいのかもしれません。コンセプトがしっかり立ってくることで、かなり多くの人に届く作品になりうるのかもしれないなと思いました。好きな衣装着せられて、好きな場所に設定できますしね。マーク ジェイコブス、慧眼!?  海外の人にはどんな風に見えるのか、気になるのでした。 よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

勝手に2022年のアートフェスまとめ(後編)

  昨日の前編に続きまして 、後編をお届けします。 長野県: 浅間国際フォトフェスティバル 軽井沢のお隣、御代田にて行われる国際写真展。2018年の初回に伺いましたが、ロケーション最高です。浅間山の麓、古い施設を活用していて、とてものどかで爽やか。そこに世界中の様々な写真作品が集まっていて圧巻でした。これは是非行きたいなー! 7/16〜9/4まで。ワーケーションするか!? 愛知県: あいち2022 あの、あいちトリエンナーレからもう3年か!と驚きますね。その名を「あいち2022」と変えて行われる今回は、どんな内容になるんでしょうか。名古屋のほか、一宮と常滑が会場になるそうです。芸術監督は、森美術館館長の片岡さん。アーティストラインナップ、僕が知っている名前は限られますが、かなり期待できるような気がしています。 宮城県: Reborn-Art Festival 2021-2022 去年と今年で前後期に分けて開催されるリボーンアートフェス。後期にあたる今年は8/20〜10/2まで石巻を中心に展開されます。常設作品もあるのが嬉しいところ。東日本大震災から11年。今、行くべきアートフェスかもしれません。 岡山県: 岡山芸術交流 ご紹介してきた中で唯一行ったことがないのがこちら。3回目となるこちらは9/30〜11/27に岡山市内で開催です。瀬戸芸の秋会期と重なるので、合わせていくのもいいかもしれません。 青森県: 十和田市現代美術館 芸術祭じゃないのですがおまけで、「(仮称)地域交流センター開館記念展 名和晃平 生成する表皮」という展覧会が6/18〜11/20まで開催されるので備忘録として付け加えておきます。 ということで、夏休みいくらあっても足りそうにないですが、どれも回数を重ねた実績があり、より進化しているように見受けられるので、どこに行っても深く楽しめそうな気配です。できたらこの全部をレビューできたらいいなということで、そんな目標を持ちつつ。 よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

勝手に2022年のアートフェスまとめ(前編)

にわかアートフリークとなって早10年以上。この2年は芸術祭もいろいろと苦しんでいましたが、いよいよ今年は全国各地でリアル開催が出来そうな雰囲気です(今のところ)。ということで、勝手にこの夏〜秋の芸術祭まとめ。たくさんあるので2回に分けます。 新潟県: 大地の芸術祭越後妻有2022 昨年開催予定が直前で1年の延期となっての本年。作品は去年時点で大体出揃っていたので、今年はなんと春から秋までのロングラン。これは貴重! 夏の妻有はもちろん素晴らしかったですが、春も初夏も梅雨も晩秋も楽しめてしまうなんて素敵ですね。里山の風景に、20年を超える芸術祭の歴史が蓄積して、恒久作品も新作も唯一無二の体験として刻まれる場所。 香川県&岡山県: 瀬戸内国際芸術祭2022 越後妻有と双璧をなす、瀬戸内海の芸術祭。今回も春、夏、秋の3期開催。 瀬戸内海の独特の美しさと、小さな島々の旅情感、そしてサイトスペシフィックなアート作品。草間彌生の南瓜はやっぱり何度見ても圧巻なほか、心臓音のアーカイブや、豊島美術館など、何度でも訪ねたくなる大型作品の多さも特徴。島々をつなぐフェリーもまた、かけがえのない時間をくれます。 愛媛県: 道後オンセナート2022 松山市の道後温泉を舞台にしたアートフェス。じわじわと温まって今回はGWにスタートして来年2月までのロングラン展開。歴史ある温泉街とアートを楽しめるのはもちろん、松山周辺エリアを合わせて周遊するのも楽しいアート旅。しばらくぶりに訪ねたい場所。 滋賀県: BIWAKO BIENNALE 2022 こちらは10〜11月に滋賀県近江八幡市で行われる琵琶湖ビエンナーレ。規模は大きくないですが、2年に一度のペースで粛々と続いて古参芸術祭ですね。近江八幡という古都とアートの組み合わせは情緒があります。 それぞれのサイトを見ているだけでワクワクしてきますね。 明日の後編に続く! よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

クレマチスの丘を守りたい。

B.LEAGUEにリーグワンと、決勝戦二本立ての日曜日。どちらも東京開催なのね。バスケはホーム&アウェイでやってほしいような気が。 さて。静岡県の三島市に、クレマチスの丘というアート施設があります。開館20年を迎えたこちらは美しい庭園と、ヴァンジ彫刻美術館を中核にした、猛烈に気持ちのいい場所で、何度かお邪魔しては癒しの時間を過ごしてきました。 こちらのクラウドファンディング情報が流れてきたのでチェックしたところ、コロナによる入館者激減と、作品と施設の経年劣化のダブル・パンチ・ピンチなのだそう。ということでささやかながら支援させていただきました(なお、期限は5/31まで)。僕もまた訪れたいし、子供たちも連れて行きたいし、僕と同じようにここを気に入ってくれる人に、この場所を訪ねてほしいと思うので。 コロナもあってクラウドファンディングも数多出現したと思いますが、自分の好きなもの、大切なことを、こういう形で可視化できるのは良いことだなと思いました。自分が価値を認めるものに、自分はいくら投資するのかという話ですよね、多分。 個人がこんな風に気軽に誰かを支援できるのはネット時代前ではなかなかあり得なかったことでしょうから、こういうのはインターネットの良き側面だなぁとも思うのでした。クレマチスの丘がこれからも、美しい景色とアートによって豊かな感性を育んでくれることを願いつつ。良かったら、足を運んでみてください。 クレマチスの丘 よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

「写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」展が良かったです。

腕の皮がむけました。第一次日焼け終了。 さて。アーティゾン美術館の「写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」展を鑑賞しました。セザンヌなどの絵画作品を起点にして、2人の写真家の作品へと展開する本展、とても面白かったです。美術館のコレクションと現代作家をコラボさせるジャム・セッション企画の第3弾。 ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴崎敏雄×鈴木理策 写真と絵画ーセザンヌより | アーティゾン美術館 柴田さんのお名前は初めて知りましたが、とても興味深いお写真。なんでもなさそうな風景の幾何学的な部分を切り取り、グラフィックのように見せてしまう神業に驚嘆しました。こんな風に、目に見える世界を写し出せるのかと! 鈴木理策さんは個展も拝見していたので、相変わらずの美しさに感服し、確かにどちらの作家も絵画的とも言えるんだなぁと思いました。 柴田さんを評した「非決定的な瞬間」という言葉がとても腑に落ちて、ドラマチックな何かではない、今もそこにただあるだろう風景で、見つけさえすれば誰でもその写真は撮れるかもしれないのに、誰も見つけられない場所なんですよね。そんな非決定的なはずなのに、唯一無二の視点だという。「こんな目を持ちたい」って惹きつけられる作品。一方の理策さんはカメラを操って絵画を生み出してしまうような、その表現力にため息が出ます。りんご一つをこんなに美しく撮れますかねしかし! 一枚の写真だけでは見落とすかもしれない、その裏に潜む世界はメッセージ、技法を、並列にすることで可視化した今回の試み、とても面白く拝見しました。もう一つ、写真は複数枚並べて一つの哲学を表現出来るメディアでもあるんだよなと再確認しました。大きな一枚で勝負するのもいいですが、小品を連打することで構築される世界も確かにありますね。 さて、それからもうひと企画ありまして、「Transformation 越境から生まれるアート」も拝見。ルノワール、藤島武二、パウル・クレー、ザオ・ウーキーの4人にフォーカスして、国を超え、時代を超える音で作家たちがその性質を変化・進化させていった様をあぶり出していました。僕はポスタービジュアルにも作品が使用されているザオ・ウーキーに引き込まれました。 Transformation 越境から生まれるアート|アーティゾン美術館 そんなこんなで、カメラ片手に街に繰り出したく

意味を溶かして本当の姿を映し出す。篠田桃紅展より

GWも終わったので、夏休みのことを考え始めた僕です。島にでも行こうかと。 さて。東京オペラシティ アートギャラリーにて開催中の「篠田桃紅展」に行ってきました。篠田さんのことは存じ上げず、写真のメインビジュアルだけ見て、なんとなく心惹かれたので(そしてオペラシティさんのキュレーションが好きなので)、それ以上の情報も入れずに行きましたが、書家であり、抽象画家の方でした。迫力あってよかったです! お名前は、「しのだとうこう」とお読みするのですね。 篠田桃紅展|東京オペラシティ アートギャラリー 1913年生まれ、昨年亡くなられたとのことですが、幼少より書を学び、書家として活動しながらやがて文字から抽象へと作風を広げ前衛書家に。そして渡ったNYで抽象画に触れ、さらに世界観が広がったとのことです。展示も、初期のいわゆる「書」から始まり、やがて文字を離れ抽象に移行していく変遷を一気に拝見することができました。 抽象なので、それが意味するところを推し量るのは難しいのですが、でも力強さを感じさせ、観る人を引き込むのだから凄いな、と。書がベースにあるので、墨をメインに、あとは金、銀、朱といった限られた色だけを用いているのが印象的。マーク・ロスコのような抽象画の雰囲気も感じるのですが、やはり色数が少ないのでよりミニマルでクールだなと感じました。 漢字や仮名は、その成り立ちが象形的かと思いますが、篠田さんは文字を解体し、抽象という自由の中で再構築していったように見えました。それは、文字を意味から解き放つことでもあり、その本質にまでさかのぼって新たな形を与える作業のように思ったのでした。例えば「火」であれば、文字が表すのはその形であるところを、彼女はその熱さや色、周囲を温め、あるいは照らし出す、その性質までを捉えようとしたのではないかと。文字にする間にこぼれてしまうものを、拾い集めるような。 それはただ僕が感じただけのことですが、そんな風に想像をかきたてるだけの力強さと、思いを巡らせるための余白がありました。抽象画ともまた違う墨象(水墨による抽象画のことだそう)ならではの味わいと言えそうです。ちょっと飛躍しちゃいますが、目先の意味や効率を時には溶かしてしまって、中長期的な目線での本質を考えるのも大事だよな〜的メッセージにも思えたのでした。 エッセイも評価が高かったそうで、今度何か手に取って

Chim↑Pom事変に大いに期待する

パッカブルなスーツを探していますがどこで買うか悩んでいる僕です。 さて。 昨日ポストした通り「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」に行ってきたのですが、 それだけじゃ語りきれなかったので、今日ももう少し感想を述べたいと思います。 美術手帖の4月号がまさにこの個展に合わせた「Chim↑Pom 自由と真実のあくなき探求」特集だったので、予習復習を兼ねて読みました。個展の理解を深めるにとても良かったので、是非セットでお楽しみいただきたく。 彼らの作品は、その表現だけを切り取って語るべきではないのかもしれません。少なくとも自分の目で見ることなく良し悪しを計るべきではないと思いました。なぜこの作品が生まれたのか、どうしてこういう表現なのか、作品に対して自分は何を感じ、また、どうしてそう感じるのか。そこまで想像して初めて彼らを語る資格が持てるように思いました。 誌面を通して、彼らが作品ごとにテーマを深く突き詰め、「Chim↑Pom 会議」なるものを経て、作品化していることを知りました。それらはただラディカルなわけではなく、すべてが必然性ある手法であり、革命でした。少なくとも単なるお騒がせではないし、その程度だったらこんなに長く活動できないし、森美術館で個展も開けないですよね。最たるものは広島のプロジェクトで、彼らはその展示を中止せざるをえなかったにもかかわらず、その後継続的に広島の方々とコミュニケーションを図ることで、作品をより意義あるものに昇華させたようです。その真摯さは胸を打つものがありました。何をやるにしても法律もしっかり確認した上で最も効果的な手法で仕掛けられていて、イメージとは裏腹にとても緻密。 ところで、今回の展示に当たっては、その作品の性格から美術館側との交渉ごとはかなり複雑だったようです。彼らのやりたいことと、営利施設である企業美術館のルールの間での綱引きは、一筋縄ではいかなかったそう。その一端が、スーパーラットのピカチュウバージョンで、肖像権の問題で美術館での展示は見送られた代わりに、サテライトとして虎ノ門の会場で展示されていました(森美術館で予約の上鑑賞できました)。さらに、協賛金に関して今日時点では決裂しているようで改名するんですかーい! 詳細はこちらに 。(鑑賞時点では改名は反映されてませんでしたが、ショップでTシャツが販売されてました) この件も含

Chim↑Pom ハッピースプリング展行ってきた!

久しぶりの焼肉を大満喫した僕です。コムタンクッパうます。 さて。森美術館で開催中の「 Chim↑Pom ハッピースプリング展」ようやく観てきました。Chim↑Pomの代表的プロジェクトを網羅した回顧展、とても刺激的で良かったです! Chim↑Pom展:ハッピースプリング | 森美術館 - MORI ART MUSEUM Chim↑Pomのことは断片的にしか知らず、気になる存在だけどよくわからないというところでしたが、とても真摯に社会問題に向き合っているチームなんだと理解できました。 まず現れる初期のプロジェクト「スーパーラット」は映像だけ見ていると悪ノリにも見えますが、モチーフとなった変異ネズミは都市化によって生み出されたものでありながら、普段その存在は認識されていません。それは社会のマイノリティと言えるもので、それらを見落としがちな社会や、劣悪な環境でもサバイブする生命力の強さなど、いろんなものを可視化している作品だと、今回気づかされました。 展示の最初のフロアは建築現場のように足場が張り巡らされているのですが、なんとその足場の上に2階が作られ、そこに実際にアスファルトが流し込まれて「道」が生み出されています。これは過去に台湾の個展で展開されたものの再現だそう。道という土地と土地の間のようなグレーゾーンを作ることで、さまざまなルールの間にこぼれ落ちるものを炙り出します。 例えば誰かの土地だとスケボー禁止のような、いろんなルールが厳格ですが、道だとなんとなくそれが緩和されますよね。路上ライブや露天商のようなことが許容されたり(厳密にはアウトだとしても)。そんな道を作り出すことで、本当にリアルな秩序をみんなで考える試み。さまざまなカルチャーがストリートという背景から生まれたことを思うと、この「道」が持つ意味はとてつもなく大きいように感じた、そんな作品です。Chim↑Pomのスタイルもストリート的と言えそう。 東日本大震災後に行われた帰宅困難地域での企画展「Don’t Follow the Wind」や、物議を醸した「ヒロシマの空をピカッとさせる」、渋谷駅に突如現れた「LEVEL7 feat.『明日の神話』などの作品群は、メディア記事のアーカイブと併せて展示されることで、それらがどのように目撃され、議論され、やがて評価されていったのかが後追いできる仕組みに。彼らの仕掛け

壁とアートとざわめきの午後。

さて。横浜美術館は現在修繕のため長期休館中。横浜はここ以外大きな美術館ないので寂しいです。が、工事の仮囲いをギャラリーとした小企画展「Nea Artist Picks」がスタートしていました。たまたまお向かいのマークイズの4Fテラスから外を見たらご覧の景色が見えました。なかなか気持ちいいです。 取り上げられていたのは村上早さんで、「Stay Child」というタイトルで、18点の銅版画が展示されていました。上から見た時は、一連のストーリーのように見えましたが、実際には独立した作品のようです。一点ずつに、豊かな物語性がある。 例えば、大きな蜂に刺される女性。その横には女性をかつぐ動物(?)。といった具合に。人物には顔がなく抽象性がありながらも、前後の文脈を感じさせるのです。あるいは、動物と人間が対等に同居しているのも、寓話性があっていいんですよね。 解説によるとこれは作者のトラウマなどネガティブな記憶や痛みからきているそうで、なるほど確かにそういう重さはありますが、映画『パンズラビリンス』のようなダークファンタジーの趣で僕は捉えました(十分暗いか)。 非常に見応えがありましたので、ぜひ横浜にお出かけの際は足を伸ばしていただきたいです。11月まで展示されているようです。 ところで、ここは公園広場でもあるわけで、子供たちがはしゃぎ、たくさんの人が行き交う、賑やかなエリア。なかなか足を止めて作品を観る人が多くなかったのがちょっともったいないかなと。そのひはMMアリーナで「美少年」のライブがあったようで、そこから流れてきた方達が、囲いをバックにめっちゃ撮影会していました。おもしろいスポットです。 そんなこんなで。村上早さんの名前は憶えておきたいと思ったのでした。よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

桜の季節がダミアン・ハーストと一緒にやってきた

ここのところ左まぶたがピクピクしている僕です。時々なるんだよな。 さて。国立新美術館で開催中のダミアン・ハースト「桜」を観てきました。FB広告でこの展覧会を知りましたが、地下鉄でもずいぶん広告売ってましたね。 僕の印象ではダミアン・ハーストはけっこうエキセントリックな現代アートの人ですが、今回の展覧会はそのイメージとはずいぶん違っていて、なんと桜の絵画作品のみで展開されています。が、かなり大型の作品24点で、かなり迫力ありました。 ダミアン・ハーストの代表作のひとつが、カラフルなドットを機械的に並べた作品「スポットペインティング」だと思いますが、同じアーティストが今度は手触りのあるドットを塗り重ねて桜を表現したことがとても興味深く思えました。大量の絵の具、さまざまな色彩を塗り重ねて、アクションペインティングのような肉感のある桜の有機的な立体感よ! 空が見えないほどの花びらで埋め尽くされたもの、浅いピンクでまとめられたもの、超大型のもの。1点ずつを切り取っても引き込まれますが、連作としても楽しめます。引いてみるのもいいし、ぐっとフォーカスしてその筆致を確かめるのもいい。なお、このシリーズですでに100点以上描いているそうで、今回はその中から選りすぐって持ってきているそう。 ところで、ダミアン・ハーストってたくさんのスタッフが制作するファクトリーシステムを採用してたように記憶してますが、このシリーズは全部本人が単独でやっているんですかね。インタビューを見る限りはそのように見えましたが。 シンプルなモチーフですが、それゆえの美しさと強度を感じる展覧会でした。パンデミックに戦争と、不確実性の高まる今、それでも季節は巡り桜が花開くということ。その尊さを、あらためて感じるのでした。本物の開花ももうすぐですかね。美術館前の桜とあわせて堪能できそうです。会期は5/23まで。 そして、来るたびに思いますが、国立新美術館てハコとしても格好いいですよね。よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

#アートシェア2022

よく思うのですけど、トランプ発明した人って天才ですよねー。 さて。元日に放映された「日曜美術館 新春SP」を鑑賞しました。今年注目のアートをめぐる1時間。コロナ禍で美術業界も苦労する中、今年こそは多くの人が素晴らしいアートに触れられることを願って。 #アートシェア2022  オープニングは新潟県越後妻有から。昨年の開催を断念し、今年に延期した大地の芸術祭。美しいトンネル内のアート作品、清津峡のTunnel of Lightや松代城、最後の教室を水原希子さんが訪れていました。秋も冬も美しいですね。去年も足を運びましたが、今年もやっぱり行きたい! その後のMCもTunnel of Lightから。素敵なロケやな。 荒木飛呂彦さんは名作が大挙やってくるメトロポリタン美術館展の見所を語り(気になる)、ヤマザキマリさんは日本の全国宝を公開するというトーハクの国宝展を推薦したり(おもしろそう)、永山瑛太さんは現美の特撮アートをプレビューし(すごく観たい)、橋本愛さんは夜の青森県立美術館に足を運んだり(うらやま!)。 続いて森美術館の片岡館長が推薦したアーティストは、金沢寿美さん。大量の新聞紙を膨大な時間をかけて鉛筆で塗りつぶすその作品は圧巻でした。それは星空のようであり、実体は言葉とニュースの集積であり、それが結果として個人や社会の記憶を掘り起こすという。これはぜひ実物を観たいです(観れるのかな?)。 さらに脳科学者の中野信子さんと映画監督の樋口真嗣さんは中銀カプセルタワーを紹介。ずーっと保存か解体かというところで議論されてましたが、今年中に解体されてしまう可能性が高いとか。。最後にパフォーミングアートを菅原小春さんが、高知のよさこい祭りを。これも胸熱。 番組内、アートに触れる意義を「利便性に流されないものをどれだけ抱えておけるか」とするコメントがありました。僕にとってアートは心を震わせるものの一つです。菅原小春さんは、本物のダンサーについて「魂のもっと奥の、芯で踊っている。ゆえに、孤独」と評してました。誰かのものさしは要らなくて、自分の芯を揺さぶるもの、響くものを見極めるときに、利便性は少し邪魔になるのかもしれません。利便性過多時代。 番組では取り上げられませんでしたが、僕は瀬戸内国際芸術祭を楽しみにしています。行けるといいな。 よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1

M式「海の幸」に見る類稀なる実行力

  12/24金曜日おはようございます。メリークリスマス! さて。昨日のポストから「海の幸」つながりのこちら、アーティゾン美術館で開催中の「M式《海の幸》森村泰昌ワタシガタリの神話」を鑑賞してきました。見応えありましたわー。 青木繁という明治期の洋画家の作品を出発点に、森村泰昌がお得意のなりきりセルフポートレートを発動した展覧会。特に、青木の傑作とされる《海の幸》を大胆に再構築した10点の連作が圧巻です。 僕は青木繁も《海の幸》も知りませんでしたが、この作品、不思議な味わいが。海辺で大きな魚を運ぶ10人ほどの全裸の人がいて、ひとりだけこちらを見ているというもの。見ていると、人類の進化の歴史のようであり、1人の人間の生涯のようでもありました。こちらを見ている人物が現在で、「今」はいつだって一瞬で過ぎていくことを示唆しているような。 そして森村さんはこれをセルフポートレートでトレースしつつ、さらに大胆に解釈し、明治から近未来まで10の時代背景でこの構成を再現。戦前、戦後、オリンピックに万博から、平成、そしてコロナ禍の今とその先まで。わかりやすさもあるし、作品も大きいしで、見応え抜群です。 そして、この連作の制作過程も展示されます。絵コンテから始まり構図決め、習作に取り掛かり、衣装も作り、メイクも撮影もセルフ。作業が膨大だし、一つ一つが思ってた以上に緻密で、気の遠くなる作業です。ここまでやり切れるのは本当にすごいと圧倒されました(プロセスを開示するのがいいことなのかは意見が分かれそうだけど)。 アーティストと凡人の差って、発想以上にこの実行力に由来するよなと再確認。ベンチャー企業とかも、似たようなアイデアはけっこうみんな持っていて、実行したかどうかが勝負の分かれ目みたいな話を聞いたことがあるので、すべてに共通しているのかもしれません。 やるっきゃないってやつですね。会期は来年1/10まで。よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

アートとローカル線と、揺れるススキと。

  12/9木曜日おはようございます。仮装するくらいにはチーバくんが好きです。 さて。グランピング、ゾウ、ときたら、アートです(?)。市原にやってきた最大の目的は、ついに開催された「いちはらアート×ミックス2020+」を観るためでした。以前書いた通り、2020年3月から延期に延期を重ねての開催なのです。 まずは芸術祭のスタート地点とも言うべき、五井駅へ。パスポートを購入し、検温済み証明となるリストバンドをもらいます。そして早速アート鑑賞。ここは小湊鐵道の施設で、古い車両などが並んでいて、それを生かしたアート作品が。パンチがあって、ここならではで、いい感じです。 駅の中にも作品が。天井からロープで吊るされたピアノの自動演奏は、宇宙への旅へと誘うようであり、誰かの残存思念のようでもありました。そして、月の満ち欠けを表した作品も。そう、この駅ごとに展開する駅プロジェクトの通しテーマとして、宇宙がモチーフとなっているのです。 隣の上総村上駅には、実にアイコニックな宇宙飛行士がホームで電車を待ち続け、その隣駅では宇宙ロケットが線路脇にそびえます。さらに進んだそこには天井の大きな星がわたしたちを照らし、最後の養老渓谷駅で、再び月が出迎えてくれるのです。 冬の市原はちょっと寂しいのではないかと思っていたのですが、大きなすすきが揺れ、田んぼにも苗があったりして、小湊鐵道はやっぱりキュートで、心配ご無用の豊かな風景が広がっていました。 本当は隅々まで巡りたかったのですが幼児2人連れだとそれもかなわずではありましたが、改めて自信を持ってお勧めしたいアートイベント。千葉出身の人間としても嬉しいです。また3年ごに、戻ってこれますように。会期は12/26まで。ぜひに! よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。