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桜の季節がダミアン・ハーストと一緒にやってきた

ここのところ左まぶたがピクピクしている僕です。時々なるんだよな。

さて。国立新美術館で開催中のダミアン・ハースト「桜」を観てきました。FB広告でこの展覧会を知りましたが、地下鉄でもずいぶん広告売ってましたね。

僕の印象ではダミアン・ハーストはけっこうエキセントリックな現代アートの人ですが、今回の展覧会はそのイメージとはずいぶん違っていて、なんと桜の絵画作品のみで展開されています。が、かなり大型の作品24点で、かなり迫力ありました。

ダミアン・ハーストの代表作のひとつが、カラフルなドットを機械的に並べた作品「スポットペインティング」だと思いますが、同じアーティストが今度は手触りのあるドットを塗り重ねて桜を表現したことがとても興味深く思えました。大量の絵の具、さまざまな色彩を塗り重ねて、アクションペインティングのような肉感のある桜の有機的な立体感よ!

空が見えないほどの花びらで埋め尽くされたもの、浅いピンクでまとめられたもの、超大型のもの。1点ずつを切り取っても引き込まれますが、連作としても楽しめます。引いてみるのもいいし、ぐっとフォーカスしてその筆致を確かめるのもいい。なお、このシリーズですでに100点以上描いているそうで、今回はその中から選りすぐって持ってきているそう。




ところで、ダミアン・ハーストってたくさんのスタッフが制作するファクトリーシステムを採用してたように記憶してますが、このシリーズは全部本人が単独でやっているんですかね。インタビューを見る限りはそのように見えましたが。

シンプルなモチーフですが、それゆえの美しさと強度を感じる展覧会でした。パンデミックに戦争と、不確実性の高まる今、それでも季節は巡り桜が花開くということ。その尊さを、あらためて感じるのでした。本物の開花ももうすぐですかね。美術館前の桜とあわせて堪能できそうです。会期は5/23まで。

そして、来るたびに思いますが、国立新美術館てハコとしても格好いいですよね。よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。





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