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感想_キリン解剖記

4歳児にキメハラされたました。水の呼吸、知らんし。 さて。郡司芽久『キリン解剖記』(2019年刊)読了。1989年生まれの解剖学者である著者が、学生時代から含めて10年で30頭のキリンを解剖してきたその記録と、やがてキリンの首の第8の骨を発見するまでをまとめた一冊。 2月発売号での「癒しの動物」特集に向けて読みました。世の中にはいろんな本がありますね、まさかキリンの解剖についての本があるなんて。はい、解剖です。亡くなったキリンを研究室で引き取り、メスを使って皮を切り、筋肉を削ぎ、骨を研究しています。リアルにその現場を想像すると、なかなかですよね。 意外でしたが、これだけメジャーなキリンでも、首の動作についてまだわかっていない事があったのです。そして著者はそれを発見した。なんとなく僕は、こんなに便利な世の中なんだし、AIが活躍しちゃう時代だし、もう大抵の謎は解けていて、わからない事なんてないんじゃないか。全部wikipediaに載っているんじゃないかって気持ちになってしまっているんですけど、本当はそんなこと全然なくて、僕の思い上がりというか勘違いでしかないことを、再確認しました。世界はまだまだ広いのです。 キリン種は、今はキリンとオカピの2種類だけながら、絶滅してしまったサモテリウム・メジャーやシヴァテリウム・ギガンテウム、ジラファ・シヴァレンシスなどなどかつては30種もいたそうです。サモテリウムは700万年前頃に生きていたそうで、2016年に化石が見つかったばかりとか。化石といえば恐竜やマンモスくらいと思い込んでいましたよ。 最後にとても示唆に富む言葉で結ばれていました。どうしてキリンを解剖して研究するのか。なぜたくさんの動物の標本を作るのか。それは、博物館という場所で守られる3つの「無」という理念があるからだそう。 すなわち「無目的」「無制限」「無計画」だそう。特に研究に使わないから、あるいは置き場所がないから、という理由で制限をしない。今は目的がなくても100年後、誰かが必要とするかもしれないから。そのために標本を作り、残していくのが、博物館の仕事だと。 意味や理由ばかり問われがちな今、この理念はとても大切だと思ったのでした。だってね、僕たちだって何のために生きているんだって言われたら、答えられないですよね。それはただ、生命というバトンを受け取って、渡すだけのこ

感想_天気の子

  『天気の子』(2019年公開)鑑賞。異常気象で雨が降り続ける東京に、神津島から家出してきた16歳の帆高。ある日知り合った陽菜というもうすぐ18歳の子は、祈るだけで晴天をもたらす不思議な力を持っていた。ふたりは、その能力を仕事にしはじめて。 前作『君の名は。』がとても面白かったので期待もありつつ、世の評判はけっこう割れていたようで、とても楽しみでした。そして、すっごく楽しめました。 ハリウッドリメイク意識か!?(してほしい!)というくらいのディザスター感、チェイスアクション、そしてジブリなみのファンタジーで、やりすぎ感すらあったと思いますが、やはり真骨頂はジャパニーズ青春エンタテイメント。美しいアニメーション、花火大会の奥行きとかすごいですね。実写にするならぜひ3Dで観たい。 いろんなポイントがあったと思いますが、いちばん感じたのはイノセンスを問われるなぁということ。「君の名は。」以上に、ふたりの主人公の関係に力点が置かれていて、ファンタジーでありながらも真っ直ぐな感情の動きに、思わず涙ぐみました。この真っ直ぐさを受け入れられるか、言い換えると「きれいなものをどこまで信じていられるか」で評価が割れそうな気がしました。 知らぬ間に陽菜を損ない続けていた帆高の自責の念はどれほどだったか。それを思うと、山手線の線路内を走る非現実的にも見えるあのシーンは「ありえない」ほどの想いをちゃんと表現してくれたシークエンスだと感じました。 雨が降り続いた東京は、どこかコロナと共生する今の自分が重なります。どんな苦難があってもそれでも僕たちはそこで生きていくし、物語は続いていく。もちろん去年の段階でそんなことを考えていたはずはなく、それだけ本質をとらえていたということでもあると思います。 天気や生死、運命など、世界にはどうにもならないことがたくさんあるけど、その中でそれぞれに役割を探しながら生きている。大事なのは、ちっぽけな僕たちでも、確かに世界のカタチを変えうる瞬間というのはあるんだということ。須賀のいうとおりそれはただの自惚れ、思い込みかもしれないとしても。 追っ手を振り切って屋上を目指す帆高に、須賀は逃げるなと言った。帆高にとって

ピタゴラ装置作りに挑んでみたよ。

  2/25おはようございます。フットサルに行き損ねた僕です。会社の仲間でときどきやってます。 行けなかった理由は、4歳の息子が熱を出したため。病院も開いておらず、ほぼ一日中家で過ごしていました。 なかなかこの年頃と1日家で過ごすのはたいへんで、ひととおりオモチャで遊んでネタが尽きたので、本人のリクエストもありピタゴラスイッチを自作することにしました。それが今日の動画。 最後謎に天井を写していますが、本当はボールを転がした先にガス入りで浮く風船を仕込んでいて、玉突き的に風船が「ピ」の字を背負って舞い上がり、天井の「タゴラスイッチ」と連結して完成!という感動的フィナーレを用意していました。 で、レールをいろいろ作るのに悪戦苦闘すること1時間半、ふと横を見ると、飽きてしまった4歳の少年は風船にハサミを入れていたのでした。ハサミを入れていたのでした。企画倒れ! みなさん僕の分まで、いい1日をお過ごし下さい。

本当に非常にはっきりとわからなすぎる

1/21火曜日おはようございます。今日は長文です。 昨年11〜12月に行われていた千葉市美術館の「非常にはっきりとわからない」展の図録が届きました。アーティストユニット「目【me】」の個展で、僕は鑑賞後大興奮し、しかしいろいろとわからなかったため、図録を注文しました。 図録は今回の展示に限らず、目の過去作品を包括的に振り返る記録集で、論考も充実。サイズ違いの紙を地層的に組み合わせた装丁もすごい。個展がチバニアンにインスパイアされてるとのことなので、これもそうかも? 目という作家は、大掛かりなインスタレーションによるギミックがすごく楽しい、という程度の認識でしたが、はるかにスケールの大きいコンセプトと緻密さを持っていたことがよく分かり、彼らの作品のほんの少ししか観ていないことを強く後悔しました。  その本質は、不確かな現実や認識の再発見。自分たちが観ているもの、知っているものの不確かさを、強烈に知らしめてくれます。今年の夏には東京の空に巨大な顔を浮かべる「まさゆめ」というプロジェクトが登場するので、楽しみすぎる。  ★以下、ネタバレレビュー★ 千葉市美術館は、2020年7月にリニューアル予定ということで、外観はすでに工事囲いのようなものが。受付を入っても同じ様子で、搬入直後か引っ越し前か、という感じで脚立やら台車やら段ボールやらが散乱しております。 展示室のある7、8階に行くと(僕は7階から)・・・これまた同じ! 搬入直後か、引っ越し前か。普通なら「何これ?」だし、目や現代美術を多少知っている人でも「これが作品!?」という感じ。 何が何やらよくわかりません。もちろんキャプションもありません。奥に進むと、半透明のカーテンで覆われた所があり、なにやらスタッフがごそごそ動いてる。導線を示す養生テープがカーテンの奥にも続いているため、どうやらカーテンはいずれ開かれるらしいと待つこと5分、ご開帳! 奥には素敵な作品がありました。 が、このカーテンどのタイミングで開くのだろう? いつ閉じるのだろう? 30分前に来た人は、開くこと知らずに帰った可能性もあるのかな? 長居できなかったのでその辺はわかりません。 7階の次に8階にエレベーターで移動すると・・・! まさかまさかのまったく同じ! 7階と、まったく同じものがそっくりそのまま展示されているのでした。作品(風のもの)も、台車も、脚

オズマハマラブ、今年もよろしくお願いします。

1/20月曜日おはようございます。なし崩しだった衣替えを完了した僕です。遅すぎるよ! 編集部は、2/12発売「スパ・銭湯・温泉」特集の佳境を迎えつつ、3/12発売「春の横浜」特集は今週から取材スタートです。楽しい横浜をたくさんご紹介できそうですのでご期待ください。 その横浜特集にまつわるお知らせです。以前一度ご紹介した「オズハマラブ」キャンペーンが今年もスタートしました。横浜で撮った写真をインスタグラムで投稿して頂く企画です。横浜にお住まいの方、お勤めの方、おでかけでいらした方にはぜひご参加いただけたら。 写真の内容は問いません。集まった写真は横浜特集で掲載させて頂いたり、イベントで展示させて頂いたり、賞品のご用意も。締切や条件など詳細はお手数ですが、オズハマラブで検索していただけますでしょうか。 なかなか上手くできていないのですが、オズマガジンを読んでくださる皆さんと一緒に作る企画があればと考えていて、この企画もその一環。よりみちの記憶や記録は人それぞれ。それをみんなでシェアできたら楽しいと思ってます。 写真はおなじみジャックと、喫茶店のモーニング。皆様からのご投稿お待ちしています。

カメラって楽しい

  1/19日曜日おはようございます。一昨日見たセーターを買えばよかったと後悔している僕です。週明けでも残ってるかな? 10年くらい前に実家に眠っていたフィルムの一眼レフカメラを譲ってもらい、旅行やお出かけの時に使っています。デジカメではダメなのかと言われたら、ダメな理由は何も思いつかないですし、フィルムとスマホと両方撮っちゃってるのですが。 ただ、粒子の粗さとか、現像するまで写ってるかわからない感じは、好きです。たまに、いいかも!というのが撮れてると嬉しい。 雑誌の編集では、フォトグラファーさんとのお仕事は重要で、こういう写真が撮りたいとか、こんな風に撮って欲しいとか、お願いをします。自分でカメラの真似事をする様になって良かったのは、無茶苦茶な注文をしなくなったこと。画面の手前のものも、奥のものも、両方目立たせてください、とか昔はお願いしてました。無理だよ! 写真表現は本当に多様で、写真家さんの個性も様々で、その中でオズマガジンによい写真てなんだろうと、あれこれ考えています。時代も気分もどんどん変わるので、正解はないというか、少なくとも一つではないですね。 皆さんプロなので、適当なお願いでも十分よい写真ですが、こだわればこだわった分だけ、いい仕上がりになるというのも本当。神は細部に確かに宿る。 写真は、静岡のイチゴ狩りと、逗子海岸。 ところで、フィルム代も現像代も、どんどん値上がりしてて、趣味にするには懐には優しくないのですけどねー。 よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

お気に入りのお店たちfromオズマガジン

1/18土曜日おはようございます。雪にはならなかったでしょうか? さて。発売中のオズマガジン「ひとり東京さんぽ」から、僕のお気に入りのお店を紹介します。 1枚目。清澄白河のiki ESPRESSOさん。2016年のカフェ特集では表紙を飾っていただきました。以前は近所に住んでたのでちょこちょこ寄ってたのですが、知らない間に2階にビールとアジアン料理のお店も加わったと聞いてまた行かなくては。ビール好きなもので。 2枚目は雑司が谷エリア。20代の頃は池袋に住んでたので馴染みのエリア。キアズマ珈琲さんは素敵な古民家カフェです。久しぶりにお会いしたいです。 3枚目は北千住にオープンした本と酒 スナック明子さん。チャージがわりに本を一冊購入するという、本との出会いを作る素敵な場所。店主の吉満さんは、センジュ出版の代表であり、かつては同じ会社の僕たちの先輩です。尊敬しかありません。 4枚目は白山のplateau booksさん。自然光の気持ちいいブックカフェで、建築設計事務所さんが手掛けていることもあり空間センス抜群。ここで日がな1日本を読みたい。 最後はお茶の水の山の上ホテルに入ってるコーヒーパーラーヒルトップ。伝統のババロアはほのかな懐かしさが漂う絶品アイテム。クラシックホテルってやっぱりいいなあ!としみじみ思いました。 誌面には僕も行ったことのないところが満載で、Google マップにピンが増えて仕方ないです。ぜひご覧いただけたら嬉しいです。 今日も、いい1日を。

表紙撮影クルーで新年会

1/17金曜日おはようございます。雪山に行きたいです。できれば2泊で。 昨日はオズマガジンの表紙撮影チームの新年会でした。カバーガールにKanocoさんに登場いただくようになってはや3年半。ほぼ不動のメンバーで製作しています。これは本当にありがたい限り。 みなさん各方面で大活躍されてるプロフェッショナルで、ホスピタリティとクリエイティビティに富んでて、毎月とても刺激的。しかもありがたいことに超、和気あいあいとやらせてもらっています。編集者は撮影現場において特殊技能は持ってなく、どれだけ素敵な作り手さんのチカラをお借りできるかが、勝負の分かれ目。とても頼れるみなさんです。 この日の会場は中目黒高架下のPAVILIONさん。川島小鳥さんの作品が展示されてたり、エントランスの大人のプリクラこと証明写真を撮りっこしたり、楽しかったですし、お料理も美味しかったです。器も空間も遊び心もアーティ。 また来月もこのメンバーでいい写真撮ってきますので、ご期待ください。 いい1日を。

僕と瀬戸内国際芸術祭

1/16木曜日おはようございます。昨日はよくない知らせがひとつと、よい知らせがふたつあった僕です。山あり谷あり。 瀬戸内国際芸術祭を皆さんご存知でしょうか。足を運ばれたことはありますでしょうか。2010、2013、2016、2019年と、3年に1度開かれてきた国際芸術展で、その名の通り、瀬戸内海の島々を舞台としています。 この芸術祭の中心でもあるベネッセアートサイト直島が発行する季刊誌「Benesse Art Site Naoshima」が届きました(写真4枚目。webで無料閲読できます)。そこにベネッセホールディング名誉顧問の福武さんの2010年時点の寄稿「瀬戸内海と私 なぜ、私は直島に現代アートを持ち込んだのか」という記事がありました。 ごく一部だけ引用させていただくと「現代美術は、人々を覚醒させ、地域を変える偉大な力を持っていると信じています」とあります。これを読んでいて、「ああ、瀬戸内にまた行きたいなぁ」と思いました。 この芸術祭をきっかけにして、僕はプライベートで3回、取材で3回ほど現地に足を運び、その魅力に取り憑かれました。縁もゆかりもなかった僕と瀬戸内をつなげたのが、アートだと思うと、それだけでその効果は絶大に感じます。それ以上に地域の人を変え、文化を作っているわけですが。 そしてオズマガジンでは過去4回すべて取材をさせていただき、そのたびに表紙として使用させていただきました。理由はひとつ、ただただ多くの人に見ていただきたかったから。 写真の1枚目は虎ノ門ヒルズに置かれている作品で、瀬戸内国際芸術祭にも恒久作品を展示しているジャウメ・プレンサさんによるもの。2枚目は現在GINZA SIXに展示されているクラウス・ハーパニエミさんの作品。毎回GINZA SIXの展示は見応えあって楽しみです。 アートをきっかけに世界中に行きたい場所が増えたり、楽しみができたのは、僕がオズマガジンに携わって最も良かったことのひとつ。今年も夏にアート特集を予定しています。 唐突で脈絡ありませんが、今日はこの辺で。

オズマガジン公式キャラクター「ヨリミとミチル」誕生

1/15水曜日おはようございます。編集部周りに大吉が5人もいたラッキーオズマガジンの僕たちです。 さて。発売中のひとり東京さんぽは、イラストレーターのニシワキタダシさんに描いてもらったマンガから始めました。テーマはずばりムダさんぽ(特集の裏テーマです)。オズマガジン的ムダなものなんてないよね精神と、よりみちを掛け合わせて表現してもらいました。 主人公はヨリミとミチル。ニシワキさんらしいユーモア全開で、楽しんでいただけるのではないでしょうか(僕はついでに東ヨーロッパとお茶で流し込むと運気アップが好き)。 もちろん誌面にはたくさん情報が載っていてどれも大切なのですが、単なる点のスポット情報よりも、散歩・よりみちという行為そのものを楽しんでいただけたらいいなあと思ってこういうページを作りました。 つまり、街には誌面には載っていない情報がたくさんあって、例えば実際に街に出てどんな人と出会うかとか、流れる景色に何を思うかとか、それは皆さん次第。そこに、よりみちの妙があると思っています。 ということで、こちらのヨリミとミチルは、今後もちょくちょく登場してもらう予定ですのでご期待ください。ステッカーとかにもしたいなぁとか考えています(僕がほしいだけ)。ほかにも誌面にはニシワキさんイラストが散りばめられています。 ちなみに、ひっそりと  #よりみちるず というハッシュタグをいつもつけてますが、これはよりみち愛好家の合言葉みたいになればいいな、と思っています。 さて、こちらは雨が上がったようです。今日もいい1日を。

ラン&デフォルトモードネットワーク

1/14火曜日おはようございます。ようやく初詣して大吉が出て有頂天の僕です。いい年になりそう。 僕は走ることが好きで、村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』がバイブルです。村上さんが小説家であるためにランナーである必要があったように、僕も編集者として走る必要があるのです。と言えたらいいのですが、僕はただ好きなだけですね。元々は短距離走を高校時代かじってましたが、いつの間にかフルマラソンを走るようになってました。 でも、長く続けてるとそれなりにいいことがあります。まずは単純に運動不足解消。走る間はまとまったことはほとんど何も考えていなくて、それは日々スマホで脳を酷使している今は貴重な充電(放電かな)時間のように感じます。やっぱりスマホを手放す時間は意図的に作った方がいいと感じています。 脳科学で「デフォルトモードネットワーク」という言葉があって、ぼーっとしたりして脳を休ませているときに活性化する機能があるんだそう。ランニング中がこの状態かどうかというと、ちょっと違うかもですが、僕はこれに近い感覚を持っています。 あとは、出張先、旅先でも時間を見つけて走るようになりました。歩くより遠くまでいけて、車のようにあっという間に過ぎ去らないので、ちょうどいいスピードで町と触れることができます。気になるものがあればすぐ止まれるし、Uターンも簡単。旅先だと観光ではわざわざ行かない場所に行きやすいのもメリットですね。オズマガジン的リサーチの足しにもなるという。 今回帰省中の船橋で海老川ジョギングロードというところを初めて走ったら、知らない景色がたくさんあって楽しめました。目的地を船橋大神宮にして往復で小一時間。新成人のふりそで女性がお参りに来ていて、厳かさと華やかさがあわさってとても清々しかったです。春には桜で綺麗そう。 などなど取り止めもありませんが3/1の東京マラソンに出場予定なのでがんばっています。 では、今日もいい1日を。

感想_ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

1/13月曜日おはようございます。新成人のみなさまおめでとうございます。僕の成人式は大雪だったことを毎年思い出します。 さて。よりみちライブラリその3。2019年6月刊行の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』読了。これは今読むべき本。書店さんでも多く並んでますね。 福岡出身ブライトン在住の著者のブレイディみかこさんが、アイルランド人配偶者との間にできた11歳の息子さんの学校生活を中心に、英国のさまざまなグラデーションを綴っています。ブレグジットや移民問題、アイデンティティの問題にグレタさんのスクールストライキまで、タイムリーな時事問題とリンクしてるのがまたコンテンポラリーで読むべき理由です。 まず単純に読み物としてものすごく面白い。聡明な息子くん、懐の深い母ちゃん(著者)、そしてクールなツッコミを入れてくる配偶者さんのコントラストが絶妙で、さまざまな級友や地域の方々もユニーク(ヘビーな部分もたくさんあるけど)。僕はクリスマスにラップするジェイソン・ステイサム(似の生徒)が大好き。 著者の筆力の高さ(フラットな視点、多様な経験)によるところもすごく大きいですが、この魅力は圧倒的にリアルだからでしょう。人種、貧富、宗教、地域、思想、セクシャリティなど、あらゆる意味での多様性。日本でこれらのバリエーションを日常的に感じる機会は少ないと思います。知識欲が刺激される。どうしてもニュースなどは大きな現象でしか聞こえてこないので、それだけではわからない本当の市民の声が聞けるのはとても貴重かつ学びが多い。 やはり真に多様性を理解するには無知が最大の敵で、それぞれの立場をよく知り理解する必要があることを痛感。例えばシングルペアレンツ=子供がかわいそう、とか方程式化していないか。いい悪いではなく立場が異なることはままあるし、自分と違うものを人は無意識に排除したがることも忘れてはならない。「他人の靴を履いてみる」という表現、すごく納得。エンパシーの重要性。 ついつい、自分のいる場所がいちばんノーマルだと思ってしまいますが、そんなことは全然ないですよね。そういうことにたくさん気づかせてくれる良著でした。日本でのエピソードは悲しすぎるしこれは他山の石にしなくては。 ちなみにこの本との出会いは、去年の「大人の夏休み」特集でやったオズイチ企画に載っていたから。その時買った積読があと3冊

オズマガジン「ひとり東京さんぽ」(2020)特集

1/12日曜日おはようございます。いちごの美味しい季節ですね。 さて、最新号「ひとり東京さんぽ2020」が発売されました。今年で4年連続の特集です。ふらっとひとりで気ままなよりみちを楽しむための東京ガイド。遅く起きた休日とか、急に予定がなくなったときとか、何かのお出かけのついでとか。そんな時に使っていただけたら嬉しいです。 毎年10以上の街を紹介してるのですが、いろいろ足を運ぶほど東京ってつまりはいくつもの街や駅の集合体なわけで、同じ東京でも中目黒と神保町じゃずいぶん違いますし、それぞれの良さがあるなあと感じます。今回のお気に入りは白山エリア。落ち着いてていい感じです。 それから街は世の中を反映するので、コーヒー屋さんが増えたり、タピオカが人気だったり、フードホールが目立ったり、大きな流れを感じられるのも面白いところ。今回は、第二特集で小さくて素敵な飲食店にフォーカスしてます。僕も行きたいところがたくさんできました。 裏テーマは、ムダを楽しみましょう、です。思わぬ出会いって、予測変換できないところにあるもの。なにはなくとも、ふらりとよりみちしてみてください。長い目で見れば、ムダなことって本当にないよなーと思う今日この頃です。 いい1日を。

オズマガジンの夜のこと

1/11土曜日おはようございます。今日はオズマガジン最新号「ひとり東京さんぽ2020」の発売日!どうぞよろしくお願いいたします。最新号の中身はまた明日にでもご紹介しますね。 さて、昨日は「オズマガジンの夜vol4」が行われました。これは去年の9月から始めた定期購読をして下さってる方限定の交流イベントです。毎月1回編集部でやっており抽選で30名様をご招待させていただいてます。 内容は、特集にまつわるおやつを召し上がっていただきながら(今回はパンと文具)編集部員がその号の制作の裏話をしたり、フリートークで交流したり。次号で紹介してるお土産付きで約2時間の会。 そもそもは、普段オズマガジンを読んでくださってる方に直接お会いしたい、という思いから始めました。雑誌って本屋さんなどで買っていただくので、どんな方にお読みいただいてるのか、僕らはなかなかわからないものなので。せっかくなので誌面に載せきれないエピソードなどもお伝えできたらと。 いざ始めてみると、お越しいただく方々がみなさんとてもよくオズを読んでくださっていて、ひと言でいうと、感動しました。自分たちの作った本が、こんな風に届いているんだ、って実感できたのです。 昨日は遠く宮城からお越しいただい方もいたり、温かいお言葉をたくさんいただいたり、あっという間の時間でした。ご参加くださったみなさん、本当にありがとうございました。良かったら感想などお聞かせください。 そして残念ながらご招待出来なかったみなさん、申し訳ありませんでした。これに懲りずぜひまたご応募いただけたら幸いです。 手作りのささやかな会ではありますがみなさんにお会いできるのを、編集部一同、毎月本当に楽しみにしています。 3連休の方も、そうでない方も、どうぞいい1日を。

初めての太陽の塔訪問。

1/10金曜日おはようございます。夏の少し大きなプロジェクトが決まりそうで、決まったらご報告しますね。 さて。少し前に太陽の塔を初めて鑑賞しました。今更言うまでもないですが圧巻。最寄駅を降りた時点からその姿が見え、いざ目の前にきてその大きさに圧倒されて、これを50年も前に作ったのか、と。 再公開された内部もまたすごい迫力でした。生命の樹の名の通り、進化の歴史をおさめた巨大インスタレーションはいつまで観てても飽きません(が、鑑賞時間は決まってるので長く観てられないのですが)。 外も中も、50年の経年を感じさせる部分はあって、でもだからこそそれだけの時間の重みも感じられました。一朝一夕では出せない味わい。 そういえばと、2011年のカーサブルータスの岡本太郎特集を読み返すと、太陽の塔の横には「母の塔」と「青春の塔」があったこと。頭にあたる部分がないのは頭でっかちな近代へのアンチテーゼであったこと。3つの顔は現在、未来、そして怒りを表していて実は4つ目の顔(行方不明だそうで、今観られるのはレプリカ)もあったこと。などがわかりました(行く前に読めばよかった)。 ここに大屋根広場もあったのかと思うとスケールの大きさにくらくらします。これは一度ならず、また再訪したいと思いました。興奮のあまりグッズを爆買いして帰りました。 レガシーって最近急に聞かれるようになりますが、有形無形いろんなものがありますね。太陽の塔が取り壊されなくて本当によかった。過去の人の英断に感謝です。 それでは、今日もいい1日を。