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宇宙遊泳的インシデント

夏休みで美術館もいつもより賑わってますねー。東京駅もすごい人です。 さて。国立新美術館で開催中の「蔡國強 宇宙遊ー<原初火球>から始まる」鑑賞。中国出身の蔡國強さんの個展です。昨日のアーティゾン美術館に続いてこちらも、とっても良かったです!! 会期8/21までとあと少しですがぜひもの。 展示室に入ってびっくり、全部ぶち抜きでどかんどかん作品が並んでいたのですが、その半分近くを占めている<<未知との遭遇>>がすごい! さながらテーマパークのごときインスタレーションで、ワイヤーみたいなフレームで作られた観覧車とかメリーゴーラウンドみたいなのが旋回しています。よく見ると宇宙モチーフで、エイリアンのようなものや月などの造形。LEDがいろんなパターンで光るフォトジェニックさ。素敵。 展示全体が時系列に沿って、蔡國強の歩みをたどります。代名詞的な火薬を作った絵画やプロジェクトがいかにして生まれ変遷していったかがわかって大変興味深かったです。火薬という中国的モチーフでルーツを強烈に意識しながらも、美術界の東西の分断を文字通り爆破してしまうそのインパクト! そしてそこに込められていたのは宇宙からの視点という超ロングスパンかつメタな態度でした。 今ってとかく近視眼的だから、そのスケール感にほとほと感じ入ってしまったのですね。合理性とか生産性とか、宇宙の瞬きの中ではあまりにも小さな話。あの星から届く光は200年前のものなのにあなたたちは何言っちゃってるの?みたいな感覚になりました。 あらためて火薬ドローイングってどう描いてるんだ?って思いましたが、本当に火薬で絵を描いて、火をつけて爆破していましたw その制作ドキュメント映像を見ていて、一瞬の閃光とその後に訪れる闇の対比が興味深く、それは命の儚さともつながっているように思います。星の明滅にも接続しているのかも。姿形は消え去るけど残る火薬の匂いと網膜の記憶。という美しさ。 そういえば北京オリンピックの開会式もこのひとの仕事だったなとか、8年前の横浜美術館での個展のこととかも思い出しつつ、要の東西を超えた宇宙と真理を感じさせる展示なのでした。30年前の作品と、近年の作品が違和感なく共存していたのもすごいし、でもその我々からしたら十分に長い時間も、宇宙スケールで見ちゃうと一瞬なんだよね。光すら届かぬほどの寸

抽象絵画スペクタクル

書きたいことはいろいろあるのですが、書く時間がうまく取れなくてすみません。 でも。これはどうしても書き残したい! アーティゾン美術館で開催中の「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」鑑賞しました。 軽い気持ちで観に行ったのですが、とてもよかったです。何がよかったかというと、最後の「現代の作家たち」のセクションで、文字通り現代作家の抽象画が並んでいるのですがとても好みで最高だったのです。特に感動したのが鍵岡リグレ アンヌさんの作品↓ 「Reflection」というシリーズの2点でしたが、流る水を思わせる色使い、世界地図のようにも見えた奥行きというか広がりの視覚的インパクトもさることながら、これジオラマのように隆起している立体的な作品なのです。解説によるとグラフィートという古典的な壁画の技法に布のコラージュが加わっているそう。初めて、心の底から、この作品が欲しいって思いました。いくらするかわからないけど何とかして手に入れたい。作品集もあればほしい(検索したところ見つからなかった)。 そのほかにも、リタ・アッカーマン、津上みゆき、高畠依子、横澤美由紀といった面々の作品もインパクト抜群でした。めちゃくちゃワクワクした。 展示全体でいうと、抽象画前夜のセザンヌやゴーガンに始まり、マティスにピカソにジョルジュ・ブラックのキュビスム、そしてカンディンスキーやパウル・クレーといった始祖の作品が連なります。やがてその中心はアメリカに移り、ジャクソン・ポロックやクーニング夫妻、マーク・ロスコなども並ぶオールスター的なラインナップで見応えありました。 あらためて抽象画、パッと見からは何を描いているのかわかりません。印象派たちが自らの感性のまま風景をとらえたのち、作家たちは自らの内面に目を向けそれをアウトプットしたのが抽象画だとするなら、それはすなわち心象風景であり前後の文脈や作家の言葉を参照せずに、わかるはずはない。 だから、わかろうとしなくてもいいんですよね。僕なんかはもう見た感じが好きか嫌いかでしかないし、それが何を描いているのか想像したところで正解なんてもはやないわけで。そしてそれこそが醍醐味だなと再確認しました。強い原色、荒ぶる筆致、あるいは薄暗い世界、不思議な幾何学模様。なんだか答えのない今の時代にぴったりとも言えるかもし

感想_おかえり横道世之介

あんまり暑いので扇風機を出しましたよ、2台同時に。 さて。吉田修一『おかえり横道世之介』(2019年刊)読了。あの横道世之介が帰ってきた! 就職活動はさっぱりうまくいかず、バイトとパチンコで食い繋ぐ24歳になった世之介。そのパチンコ屋で出会った新たな友達、大学時代の親友とひょんなことから出会ったヤンママ家族、やっぱり世之介は頼りなくて、ボンクラで、だけどどうしようもなく憎めなくて。 なんだか大学時代よりダメになった気のする24歳の横道世之介。流れるままにフラフラと過ごし、ヤンママと親しくなってその実家の世話になるってどんな流れだよ!って感じですが、世之介だとなんかそれでオッケー。 大学時代ほどのキラキラした感じはなくて、もう少し世知辛さや社会のやや日陰っぽいところが舞台になっています。バブル崩壊後の元気がない世相も取り込んでいるのかな。それでも世之介は世之介のままで、そういう劣等感や差別的なものに一切加担しません。いつも通り、今まで通りに、打算なくフラットな世之介のままでいてくれるからどうやっても応援したくなる。 前作同様に、1年間を追っていて、合間に登場人物が世之介を振り返るモノローグが挟まれます。なんと東京オリンピック開催の2020年も物語に織り込まれそこからの視点になっていて(まさか延期になるとは知る由もなく)、よりドラマチックな仕立てでした。ただ、キーパーソンぽい感じだった浜ちゃんのエピソードがあんまり掘られなかったところはおや?って思いましたが。 ラストに思いっきり書かれている世之介の善良さについて。ああそうか、善良なんだな、世之介のいいところってと腑に落ちました。フリーターだし、まるで頼りないけれど、シングルマザーにも親友にも訳アリそうなパチンコ仲間にもお隣の異国人にもフラットに接することができる世之介。人を疑わず、貶めず、あるがまま受け入れられること。 多様性とかボーダレスとかそれっぽい言葉が飛び交うけれど、先入観なく人と向き合えることがどれほど貴重なことか。自分にはほんとなかなかできないことだから(頭ではわかっているつもりでも)、やっぱり世之介が眩しいよね。頼りないと言われながらも、やる時はやるところもカッコいいんだぜ。 文庫版のおまけで、映画を撮った沖田監督と高良くんの対談があって、やっぱりまた映画が見たくなってしまうというね。むしろこの続編も撮っ

感想_横道世之介

『永遠と横道世之介』が発売されていますね・・・! ということで。吉田修一『横道世之介』(2009年刊)読了。大学進学を機に長崎から上京してきた男、横道世之介。名前も面白いが、本人も面白い愛すべきボンクラ男。流れるままにサンバサークルに入り、超お嬢様とのお付き合いが始まり、周囲の人を微妙に巻き込みながら過ぎていく、愛すべき青春の日々。 この小説を原作にした映画が大大大好きで、いつか読みたいと思っていた原作をついに手に取りました。あらためて、映画はとても原作に忠実だったんだなぁと確認し、どうやっても世之介は高良健吾君になり、祥子ちゃんは吉高由里子になってしまい、倉持は池松壮亮君になってしまいますよね。なんて愛おしい世界なんだ。 映画にはなかった(よね?確信ないが)、世之介のおばあちゃんの死が描かれていて、それはそこまで重要なシークエンスではないと思うけど(だから映画ではカットされたんだよねきっと)、原作にしかない部分なので読めてよかった気持ちになりました。 あらためて、世之介の持つ類まれなる善良さのようなものに触れて心が温まります。そしてその明るさに。闇雲な希望とか、現実味のない理想とかではなく、いつだってそこにいそうなのに、実際にはなかなか手に入らないこと。でもきっと僕たちはちょっとなら世之介に近づけるはず。全部が世之介になるのは難しいけれど、少しずつ世之介を自分の中に取り込むこと、彼の居場所を持つことはできるんだろうなぁと思いました。 それって何なんだろうと思うと、打算のない素直さかなーと。情報と同調圧力が渦巻く中で、正解かどうかなんて気にせずに感情の赴くままに行動する世之介への憧れの気持ち。僕自身はどうしても空気を読んで計算して日々立ち振る舞ってしまうから、その対極にありそうな世之介に惹かれてしまうんだよね。祥子も同じかなー。似たもの同士。 ということで、小説版も素晴らしくよかったので、映画とセットでマスターピース入りが決定しました。ラストお母さんからの手紙に「世之介に出会えたことが自分にとって一番の幸せ」という言葉がありますが、僕も同じ気持ちです。一番の幸せはさすがに言い過ぎだけど、出会えて幸せなことは間違いない。 よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

オズマガジン2023年7月号「鎌倉名店案内」

今年も販売キャンペーンやってきましたよー。 さて。オズマガジンの最新号は恒例の鎌倉特集号です。すっかり日常が戻りつつあるこの頃、鎌倉も週末中心に大変な賑わいだそうで。 そしてその賑わいに合わせるようにと言いますか、載ってるお店たちの新しいこと、新しいこと。これも知らない、あれも知らない、こんなのできたんだー!の連打でした。 茅ヶ崎のMOKICHIさんのお店ができたり、辻堂の27 coffee roastersのお店ができてたり、パンとエスプレッソも鎌倉に登場とは驚きました。そんなニューオープンに対抗するわけではないですが、名店案内あり、江ノ電ガイドにお寺と神社案内も入った保存版的一冊です。 で、個人的にはラストの名カフェdimanche堀内さんとこちらも鎌倉のランドマークとなったグッディーズ内野さんの対談がよかったですね。お二人とも面識があり、お店にも何度も行っているからというのもありますが、鎌倉の良きところを体現するお二人だよなーと改めて思いました。 いろいろあるんですが、鎌倉という街のいちばん素敵なところは求道者みたいな人たちが集まってその人たちのお店があってそれに触れられることなんじゃないかなーと思うのです。求道者というとストイックすぎますね、自由愛好家? ちょっと違うか。まあ、自分の好きなもの・信じるものを大事にしている人。そしてそれを押し付けがましくなくシェアできる人。そんなイメージです。pomponcakesとかもそうかなー。 自然体であること、そしてそこにある自然とともにあれること。それは単なる自由人や夢追い人とういことではなく、いろんな現実的問題も踏まえてしなやかに乗り越えていくって感じです。 ちょっと話がエモに寄りましたが、やはり魅力あふれる鎌倉よ。遊びに行かなくちゃね。 よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

感想_天才はあきらめた

『たが、情熱はある』は観てません。ドラマ好きなのに観てないなー。 さて。山里亮太『天才はあきらめた』(2018年刊)読了。南海キャンディーズの山ちゃんのお笑い芸人としての半生をまとめた自叙伝。面白かったです。『天才になりたい』(2006年)の大幅な加筆修正だそうで、そっちは読んでない。 僕は南海キャンディーズの漫才も観てなければ、山里さんのテレビやラジオもほぼ触れてないので、おかっぱスカーフで毒吐くインテリ芸人というイメージでしたが、まあそのイメージ通りでありつつも、圧倒的努力の達人ということがわかりました。 普通の人なら諦めたら腐ったりする場面で、彼はなんやかや半ばキレながらも退路を絶ち、言い訳をねじ伏せ、嫉妬を全開に、目標へ向かって前進する。お笑い芸人の世界はわからないけど、ネタをノートに書き続け、言葉を磨き、コンマ単位の間合いをログする人はどれだけいるのでしょうか。この圧倒的なエナジーは誰にも真似できないと思う。情熱はある、ってこのことかと思わされる熱量。 戦略的なそのやり口は、インテリジェンスあってのものだと思うし、いわゆるPDCAを本気で高速回転させているのだろうことが、数々のエピソードからわかります。それは真似したくてもできないレベルですが、その根底とも言えそうな部分であり、僕が最も共感したのは「やりたいお笑いがない」というくだり。誰かを笑わせるのは好きだしそのために努力しているけど、自由にやっていいと言われたら迷子になる感じ、僕にはとてもよくわかる。 そんな時でも山ちゃんは圧倒的な努力で乗り切り、成り上がり、それでもまだ歩みを止めずに進んだからこその今なんでしょう。僕にもまさに、「何者かになりたい」思いがいまだに燻っていて、でも山ちゃんのような圧倒的努力ができていないことを突きつけられるほろ苦さも含んだ一冊。もっと頑張らないとなー! 文才もあるなーと感じさせる山里さんは、同い年。あとがきはオードリーの若林さんの愛ある寄稿でしたが、もっと周囲からの山ちゃん評も読みたくなりました。なんだかんだクセはありそうだし、どう思われてるんだろ。 ま、山ちゃんへの最大のシンパシーは蒼井優ちゃんが好きだ!ってことなんですけどね。もっと頑張らなくては! よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

小学2年生は恥じらう生き物。〜長男7歳6ヶ月、次男2歳11ヶ月〜

↑この現象、日暈というのですね(またはハロ)。 さて。小2長男の授業参観に行ってきました。教室につくと見知った子どもたちがじゃれてきてかわいいです。見知らない子どもたちも「誰のお父さん?」といった具合に寄ってきてかわいいです。 見たのは国語の授業。詩を班ごとに朗読するというものでしたが、各班それぞれ詩の読み方を独自に考えて発表するというもの。ソロをパート分けしたり、みんなで一緒に読んだり、声を大きくしたり身振り手振りをつけたり、いろんな表現をしてみんな頑張っていました。 詩をただ読むでもなく、意味を読み解くだけでもなく、こうやって身体的表現の領域まで拡張するのはとてもクリエイティブでいいな、って思いました。前にコラボ授業(算数×体育みたいな)のニュースを見ましたが、国語×音楽や体育というのもありだよね、と。 発表の後は、どんな工夫を発見したか、聞いていた人たちが挙手して発表。こういう演って終わりじゃないスタイルも自分の子供時代にはない(あれあったかな?記憶なし)、今っぽい進化だなーと思いました。 さて。ひとつ思ったのは2年生にもなると照れとか恥じらいが出るんだな、ということ。緊張は1年生でもあったけど、去年はもっとみんな勢いだけでガンガンいっていたような気がする。あと、正解を当てに行っているなというところも。 真っ当な成長なんでしょうけど、なんか寂しさも感じたりして、公共の場でわちゃわちゃしてるとヤレヤレとか思ったりするのに身勝手な大人の気持ちなのでした。 なんにしても愚息くんも学校生活を無事に送れているようでひと安心。よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。 ■次男備忘録 ここにきてワガママがひどいというか、イヤイヤのアップグレードというか…。お風呂入らない、歯磨きしない、寝ない、のないない3兄弟に参っております。 一方で言葉は達者になり、抱っこせがみが減り、遊び方も複雑化したりお絵描きも形を成し始めたりという成長も。

感想_<叱る依存>がとまらない

アンガーマネージメントにも興味がある今日この頃。 さて。村中直人『<叱る依存>がとまらない』読了。部下を、子供を、つい叱ってしまう。その日常的な行動には叱る側の依存性があった。臨床心理士の著者が「叱る」のメカニズムを解き明かし、叱らない社会をやさしく説いた1冊。 7歳と2歳の子供を持つ生活は、日々のあちこちに「叱る」が潜んでいます。前を向いて歩きなさいとか、ごはんこぼすなとか、いたずらするなとか、早く支度しなさいとか…。そんなのはどこでもそうだと思うのですが、「程度」がわからないのですよね。どのくらいがしつけや教育の範囲で、どこからそれ以上に逸脱してしまうのか。そんな自分の悩みの出口を求めてこの本を手に取りました。 なお、自分は対子供で考えていましたが、この本は対部下や後輩というのも大いに含まれています。 本書の大きなポイントは叱るという行為は、叱る側の欲求を満たすものであって、叱られる側を変える効果は非常に弱いということ。「本当はこんなこと言いたくないけど仕方ないから」と思いながら叱っているつもりが、実は「叱りたくて叱っているだけ」ということです。独り相撲かよ! もちろん、相手に変化を促したいという気持ちは間違いなくあるのですが、叱るというのは手法としてまったく有効じゃないと言うことです。でも、叱ることで相手が言うことを聞いたように見えたり、萎縮したりするから勘違いが生まれてしまい、その実本質的には何も変わっていなかったというオチ。こうして「何度言ってもわからないならこうだ!」的な負のスパイラルが生まれ叱る依存はエスカレートしていくと。 実験データや専門的知識をもとに語られているのでこのロジックはとても腑に落ちますし、確かに怒ってみせたり、きつく言い聞かせたところで、相手が何にも変わらないというのは実感もあります。子供もそうですし、対大人でもそう。自分が叱られる立場で考えても「この説教早く終わらないかな」とか思ってたりしますよね笑(いや、自分に非があればもちろん認めますよ…)。 叱るの持つ効果は、例えば道路に飛び出す子供を止めるような無条件の危機介入・抑止力のみのようです。とにかく何が何でも止めなきゃいけないときだけ。なので、相手に本質的な改善や理解を要求するならば、叱る以外の方法を模索した方が良い。 子育て8年目に突入した今、これはなんとなく思うところなのでした

新幹線運休にまつわるエトセトラ。

ご近所がお祭りラッシュで、日常の回帰を感じています。 さて。大雨に襲われた日本列島ですが、私も影響受けたので記録しておきますよドキュメント。 6/1名古屋へ。終日曇りで夜遅くパラついた程度。6/2目を覚ますと雨。まあまあの降り。11時頃名古屋駅に着くと在来線計画運休のお知らせが出ており、みどりの窓口は混雑している。新幹線は平常通りで、豊橋へ。 雨風がだいぶ強まってきた。こちらも在来線は続々と運休の模様。商業施設に行ったが人影まばら。14時過ぎの新幹線で浜松に移動。三河安城らへんで停電があったそうで、乗った新幹線の次以降が運転見合わせのアナウンス。今日のうちに帰る予定で、もしかしたらこれ降りないほうがいいのかも?と頭をよぎるが、まあ一時的だろうとタカをくくり予定通り浜松下車。ここが運命の分かれ道だと気付くのはもう少し後の話。 アポイントを終えて16時過ぎ、新幹線は動いていない。浜松駅のカフェで待機してると、17時半頃にラストオーダーと言われる。急遽、閉店が18時に繰り上がったのだそう。この頃、店内中のスマホに緊急アラートが鳴りまくる。付近の川の増水への警報。後からニュースで知るが、午前中に行った豊川もここ浜松も大変な大雨被害でした。 東海道新幹線のサイトには終日運休の可能性が仄めかされる。浜松駅周辺のホテルを探すがすでに全滅のようで、何軒か満室と言われ、あとは電話も通じずネット検索も空室はヒットしない。一軒飛び込んでみたが夕方から一気に埋まったとのこと。フロントがちょうどキャンセル電話受けてたから空きが出たかと思ったけど今日の予約ではなかった。浜松に来られなくなった人もいそうなものだけどね。 レンタカーも聞いてみたけど県外乗り捨てができなかったり、空きがなかったりで断念。これも後から知ったが東名高速も通行止めになってたぜ。駅前ホテル一階カフェで仕事してたらついに新幹線終日運休確定したのが19時頃だったかな。 幸いカーシェアは明日の昼まで空いてたので(駅近のステーションは取れなかったが)それをおさえて、再びホテルを探すとクルマで20分ほどのビジネスホテルがかろうじて取れたよ。最悪の事態は回避かな。てことで向かおうとしたらホテルの傘立てに置いた傘がないよ! 宿泊客が持って出てしまったようで、フロントに泣きついて傘を借りる(自分の傘が戻ってきたら確保してくれと依頼。翌朝来た

感想_ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

阪神が尋常じゃなく強すぎて心配になります。 さて。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』鑑賞。ブルックリンの配管工兄弟マリオとルイージは、水道管事故を調査中に謎の世界へとワープしてしまう。大魔王クッパに囚われたルイージを救うため、マリオはピーチ姫とキノピオとともに戦いの舞台へ! てことで話題のマリオ観てきました〜。アメリカじゃ批評家は酷評、一般層は大絶賛と聞いていてどんなもんかと楽しみにしてましたが、うん、確かに批評筋にはウケそうにない感じでした! でも、キノコでパワーアップし、ノコノコを踏んづけて、たぬきスーツで空を飛び、甲羅を投げて敵カート撃墜と、マリオカートまで含めたゲーム世界が次々飛び出してくるのは純粋に楽しい。おなじみゲーム音楽もあちこちで活用されてるし、よくよく見ると、ファミコン小ネタもいろいろ詰め込まれているらしいです。もちろん、スターをゲットすれば無敵さ! 僕のマリオ歴はスーパーマリオ1〜3で終了しているので、それ以降に設定変更などあるのか知らないのですが、劇中の兄弟はちょい小馬鹿にされ設定。ルイージは気弱な弟で、マリオは負けん気が強いタイプ。そしてピーチ姫は武闘派でした。スカーレット・ヨハンソン(というかブラック・ウィドウ)かと思ったよ。いや、アンジーかな? そしてキノピオの声はスネ夫でしたよね? クッパは悪者というよりはおバカな感じでしたかね。ピアノが上手でピーチ姫への想いを熱唱する姿はちょいジャイアン風味。小2×3人と観に行きましたが爆笑してました。そこが刺さるのか!  お話はないに等しく、90分の尺でも軽く眠気を覚えるくらいには退屈しましたが、子供達がとにかく目を輝かせて見入る姿が何よりも映画的で、それを見せてもらえたので大感謝の大満足させてもらいました。マリオのすべてを詰め込めるだけ詰め込んだ気がしたから続編はネタなさそうだなとか思ってたら、マーベルよろしくエンドロール後にヨッシー匂わせあったので、続編あるんじゃん! 次はもう少しドラマを作ってくるかもね。僕はルイージの活躍が見たいです(マリオ2だっけ?かはルイージのほうがBダッシュ速くてジャンプ力あるとかだった気がするので、今回のキャラはちょっとイメージと違った)。 てことで次回は小3か4とかになったキッズたちとまた観に来ようと誓うのでした。彼らは鑑賞後、公園でマリオごっこしてたよ。写

シーラカンス・東京2023

村上春樹の新刊発売日に買ったけどまだ1文字も読んでおりません。。 さて。メトロミニッツローカリズム最新号が配布されています。特集は「TOKYO CITY JOURNAL 2023」。この3年間の東京の飲食店トレンドを掘り下げた1冊で、いろんな旬のお店がたくさん載っていてわりと保存版にしたいやつ。 背景にあるのはもちろんコロナ禍で、ターミナル駅から私鉄沿線への出店が増えたり、小さなカウンタースタイルとコミュニケーションが増えたり、確実に映えるコンセプチュアルなお店が増えたり。という外的要因に加えて、専門店はさらに尖ったり、すでに懐かしい気しかしないマリトッツォブームにフランス料理の原点回帰などなど、キーワードは多岐に渡っております。 誌面に踊るのも「大人の秘密基地」「イノヴェーティブ×各国料理」「ガチ中華」「立ち食い寿司」「カヌレ」「ネオ和菓子」「すっかり定着したナチュラルワイン」「学英大学」「ドーナツ」と、気になるものしかないでしょうよ! 結局、人の流れもまた東京に戻ってきているようですし、良くも悪くも東京一極集中は変わらないんだなーと横浜から眺めるのでした。 ところで、表紙のイラストは印象的ですね、シーラカンスのような生き物に乗る少年? でもこの場所がどこだか全然わからなくて、この号が通巻246号なので、青山通りじゃないの?と思うのですが、こんなゲーセンあったっけ?? 昔の東京だったりして? 古代生物に乗ってタイムスリップ的なイラストで「今」とはなんぞを問いかけているのかしら??なんて深読みもぜひお楽しみください。 よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

感想_秀和レジデンス図鑑

能登の地震被害が心配ですと思ってたら未明の千葉の地震で飛び起きた。のは少し前の話。 さて。『秀和レジデンス図鑑』(2022年刊)読了。知る人ぞ知るマンション「秀和レジデンス」。青い屋根と白塗りの壁が特徴的なこのシリーズは、1960〜70年代に多く建てられ、その印象的なルックスから一定のファンを獲得。そんな秀和のすべてをまとめた一冊。 ミーハー心で秀和レジデンス物件に10年くらい住んでいたのですが、こんな本が出ていたとは知らなかったぜよ! 都内各地で見かけて洒落てるな〜と思っていたり、知り合いが実際に住んでいたりしたので、ちょうど家探し中に出物を見かけたのでこれ幸いと入居したのでした。 一世を風靡してその後バブル崩壊で衰退したらしいというのはなんとなく知ってましたが、当時の秀和の代表の方は長者番付3位になるほどだったこと、住宅ローンや管理組合という仕組みを作ったのものその代表の小林さんだそうです。それは全然知らなかったぜ。すごいな。 紙面では、現在の住人の方のお部屋を撮影しインタビューしながら、建物としての特徴をひとつずつまとめていくスタイル。同じ白塗りの壁でも物件ごとにいろいろ模様が違うことや、実は青い瓦屋根以外にも赤や黒もあったこと、うちにはなかったけど特徴的なタイルの玄関アプローチやステンドグラスもあったんだね、と住んでいる時は気付いてなかった発見がいっぱいでした。 中古リノベマンションが一定の人気を集める今だけに、ヴィンテージマンションとして秀和も根強い需要はあるみたい。紙面に出てくる人もだいたい素敵にアレンジしていました。ただし秀和に限らず古いマンションは給排水管などの内部は築年数相応のガタがきていることは間違いないので、ちゃんと修繕が行われているか、計画があるかをチェックするのがマストだそうです。そんなチェックしなかったけど住んだ物件はちゃんとあったのでよかったな。階下の住人さんから子供の足音がうるさいというクレームは来ちゃったけどね。 今も中古リフォーム物件に住んでいることもあり、ピカピカ新築よりも、こういう味わいのある建物を好きにアレンジするほうが好みな僕なのでした。今度かつての住処の近くに行ったら、秀和ディテールを確かめてこよっと。 よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

軽井沢よりみち記2023春

マラソンついでに友人と会うという目的も果たせました。一石三鳥。 さて。マラソンのあとはお待ちかねの軽井沢散歩です。散歩と言いつつカーシェア利用。予約してあったのでゴールして15分後には車に乗り込んでいたよ。便利。 まずはお風呂に入ろうと思い銭湯は検索で見つからず、星野さんのトンボの湯は混みそうだなと思って、もうひとつ出てきた日帰り温泉の八風温泉へ。ルグランリゾートというホテルの中の施設でしたが、これがズバリ。先着ランナーが2組ほどいたけど空いていて快適そのもの。汗と疲れを落とすには完璧でした。と思ったら上がる頃には続々ランナーがやってきたのでタイミングが良かっただけか。入浴はお早めに。 お次は、足を伸ばして御代田へ。アマナさんの写真美術館MMoP(モップ)さんへ(上写真)。いろいろテナントが入って複合施設になっておりこちらでランチ。4年前?に来た時よりも緑が豊かになっていてとてもよかったです。コンランショップのポップアップもやってたしね。 お次はそこから車で5分のSAMNICONさんへ(下写真)。こちら蔵前のSyuRoのオーナー宇南山さんが御代田に移住してオープンしたギャラリーショップで、ちょうどGWのプレオープンを経てグランドオープンしたばかり。なんてタイミングのいい!  SyuRoのアイテムと、大物家具も並んでいて、SyuRoで見るのとはまたモノの見え方も違って面白い。しかも建物も広い庭も自作なうえ、エネルギーの循環まで考えられているそうで驚くばかりです。今後の進化から目が離せないぞ。で、僕はちょうどコーヒードリッパーを割ってしまって探していたのでいいのを見つけてお持ち帰り。 そんでもって、これまた今年オープンしたばかりというKaruizawa Commongroundsへ(下写真)。もともと学生寮だかの敷地を利用しているそうですが、森の中に転々とショップが並んでいて素敵。ウッドチップの上を歩いているだけでテンションが上がります。蔦屋なんでもちろん書店がありますがshozo coffeeさんが併設されていたり、ナチュールワインのお店に、朝食テーマの食堂に、立ち食いのおしゃれ蕎麦屋さんなどなど。 その中の一軒に燻製をテーマにした「軽井沢いぶる」というお店があり、ナッツやらチーズやらの試食をさんざん勧められて確かに美味しかったので、つい燻製醤油と燻製オリーブオイルの

感想_軽井沢ハーフマラソン2023

母の日をサボってしまってすみません。懺悔。 さて。あらためて軽井沢ハーフマラソンの雑感もろもろをまとめます。ハーフマラソンにコストはかけたくないのですが、秋のNYCマラソンに向けて春のうちに一度コンディションを上げたく、レースを探して出てきたのがこちら。GW明けの軽井沢いいかもな、とエントリー。家族を誘ったけど断られたのでそそくさと日帰りソロで。 昨日も書いたけどアクセスの良さは特筆すべきで、もっともスタートが駅から近い大会なのではと思いました。行きの新幹線は東京発なら自由席でもOKな混み具合。悪天候もあったけどGW翌週というのはナイスな設定。なおコロナのため2019以来の開催。 駐車場に入る車は渋滞してましたが、更衣テントもトイレも十分なボリュームが用意されていると感じましたし、屋台もたくさん出ていました。沿道では地元のお店の人たちや、別荘地の人たちがちらほらと声援を送ってくれたのもグッドです。過去の大会Tシャツで走るランナーもけっこう見かけたのでリピーターも多そう。新幹線で来てる人の数を見る限り県外参加者も半分以上いる気が。 12月の湘南マラソン以降も月に30km前後しか走れてなかったのですが5月はレースに備えて少し頑張り、フォームを見直し、先週は20km走を実施したところ案外走れたのでちょっと期待していたのですが、予想以上にうまくいっての2時間切り。ここからしっかり準備すれば秋のフルも酷い目には合わずに済むかもという淡い期待が芽生えました。9〜10月にもっかいハーフ探そう。 HOKAのRINCON3で走りましたが問題なかった(むしろシューズのおかげも?)のも嬉しい結果。気温は10〜11度だったけど手袋はいらなかったので、気温低いとはいえ真冬とはやっぱり違うんでしょうね。 で、レース後は軽井沢をたくさんよりみちできたわけで、それもまた格別でした(その模様は明日)。交通費は相当な投資ではありますが、それに見合う楽しい1日でございました。来年も出たいぞと。 やっぱりレースは楽しいな。よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

完走_軽井沢ハーフマラソン2023

飛行機のエコノミーに、横になれるベッドが導入されるんですってin NZ。別料金で4時間まで使えるとか。へ〜! さて。軽井沢ハーフマラソンに出場してきました。天気予報は降水確率90%に最高気温11度。真冬じゃん! かなり怯えながら6時台の新幹線に乗り込んだらランナーだらけ。8時前には到着して9時のスタートには余裕で間に合うアクセスのよさよ。で、到着したらすごい霧!だけど奇跡的に降ってないじゃん!!! コースはアウトレット横のプリンススキー場の駐車場をスタートして、旧軽井沢を巡り、南ヶ丘の別荘地を縫い、中軽井沢駅手前まで行っての折り返し。多少のアップダウンはありますが、全体としてはまあまあフラットなコース。目標は2時間5分で1km6分ペースでまとめられたら。 後ろの方のスタートかつ序盤はコースが狭くて思うようにペースが上がらなかったけどここは我慢。まだお店が開く前の旧軽井沢はのんびりムードでいい感じ。数年ぶりにきたけど新しいお店が増えてる気がするなー。 5km過ぎたくらいからバラけてきて徐々にペースアップ。そこからゆるい下りが多かったこともありいい感じに足が出る。8kmあたりから対面コースになり早くも折り返してきたトップグループを見てテンションが上がる。俺も早くあっちに行きたいぞ。 ややオーバーペースかもと思ったけど調子はいいから行けるとこまで行っちゃおうと勢いに任せてさらにペースを上げる。こんなに気持ちよく押せるの久しぶり。10kmは58分くらいで抜け、15kmあたりで2時間切れるペースに乗ったよ! これはイケるかもと欲が出る。16kmあたりからキツくなりはじめたけど、リズムを崩さないよう心がける。18km過ぎて2時間切りペースに少し貯金ができる。最後トンネルの下り&上りを抜けたらゴールが見えたぞ〜! ということで、何年ぶり?の2時間切り達成! もうできないんじゃないかと思ってたからこれは嬉しいぞ…。ゴール後は参加賞タオルにドリンク、それから食べ放題のフルーツもいただけたのでした。なお参加者は約5000人。 最後まで雨に降られることなく結果的には走りやすいコンディションでした。半分以上は森の中の別荘地だったから、晴れてたらさぞ気持ちよかったんだろうな。また出たいかもと思えるレースなのでした。参加者の皆さんナイスランでした〜! ネットタイム 1:58:48 よりみちしな