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ガンバリズムの周縁と終焉(後編)

死んでると思った蝉が最後の力を振り絞って動くのを「セミファイナル」と言うの、知らなかったよ(うまいこと言うよね)。


さて。昨日のポストの続きです。個人の個性やスタイルはどこまで守られるべきなんだ問題。あらゆる個性は尊重されるべきだけど、コミュニティに悪影響がある場合にどうするか。


モヤモヤのもとを自分なりに紐解いてみると、相手に対して「そこは頑張ろうぜ」と思うところで「あんまり頑張ってもらえない」ことへの苛立ちとかそういうのなんですよね。できるできないではなくて、頑張るポイントや、頑張れるボリュームの違いへの戸惑い。頑張りって目に見えないし、数値化しにくいですもんね。そして、「そこは頑張るんかい」ってこともままある。


昔は多分割と「頑張ること」が推奨されていたけど(それがきつかった人も多かったのでしょう)、今はどちらかといえば「頑張りすぎは良くない」になってきました。この辺りの「頑張り」への考え方と、耐性とか許容量みたいなものが、世代で大きく違うし、もちろん個々人も違う。僕とかは24時間戦えますかイズムがある程度ありますもの。昭和のあれ。


頑張って健康を損なうのはもちろんダメ。でも頑張ることで越えられる壁は確かにある。かといって頑張りを強要しすぎてはいけないし、強要されたくもない。頑張ることで成長するし、頑張らないと伸びない。でも別に伸びたいと思わない人もいるし、それはその人の自由。


とまあ、ガンバリズムの周縁にはけっこう埋めがたい溝がありそうですね。何度も言うけど、それは目に見えないよ。考えるほど「ちょうどいい頑張り」を共有するのは無理ゲーな気がしてきましたぜ。


さて、ここでセリーナ・ウィリアムズ(引退寂しいお疲れ様!)がVOGUEに寄せたエッセイに金言がありましたので、引用します。


「最近、子どものやりたいことをさせるという親が多いけれど、それじゃあ今の私はいなかった。勤勉、ルールに従うよう、私は娘をプッシュする。もちろん彼女が興味をもった方向に、追い込み過ぎないように気をつけながら」


この意見をどう捉えるかも人それぞれでしょうが、僕は共感し、賛同します。勤勉さとハードワークはとても大事だと思うし、付け加えるならば献身性も重要だと考えます。あとは規律かな。


ずいぶんとスポ根でマッチョな意見に聞こえちゃいますかね。根性論とは別のつもりですが、でもまあ基本装備がスポ根なんでしょうね、僕もセリーナも(勝手に巻き込む)。ただセリーナも言う通り、追い込みすぎない、すなわち、どこまで頑張れるのかの見極めが大事なんでしょう。自分にも、他人にも。みんながセリーナになれるわけでもなければ、別になりたくない人の方が多いのだから。


僕は、向上心と、そのための頑張りは、大事にしたい。でも別にそう思わない人がいるのは全然構わないので、自分基準で勝手にモヤモヤせずに自分がやるべきことをやっていこうと思うのでした。それぞれが頑張れる場所を、うまくみんなで見つけられるのがベストですかね。仕事じゃないならお菓子づくりとかで。


いろいろ考えながら書いてたら思ってたのと全然違う方向にいったな。よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

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