さて。ウェス・アンダーソン『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(2022年1月公開)鑑賞。架空のフランスの街の架空の雑誌の創刊編集長が急死。追悼号であり最終号となるラストイシューの誌面をオムニバス形式で綴っためくるめくる不思議ファンタジー!
iTunesレンタル200円でした。去年公開だと思ってたけど今年でしたね。ウェス大好きっ子として外せません(犬ヶ島観てない観なきゃ)。いやもう、徹頭徹尾ウェス・アンダーソンでした。グランドブダペストホテルの箱庭感はさらに進化していっそうの縦横無尽(ライフ・アクアティック感も)、スクリーンサイズもくるくる変わり、衣装も背景も何もかもが美意識の塊。さらにはアニメーションも融合して今回も過去最高にオシャレスノッブの権化!
お話は正直よくわかりません。舞台となる街のレポートから始まり、アートエディターによる獄中の天才芸術家と看守とギャラリストの話、学生運動デモに身を投じる若いカップルのルポ、異国で出会ったシェフと誘拐犯とのグルメ探訪(じゃないか)。全部シュール!
と言いつつ、そこにあるのはカルチャーと呼ばれるものへのラブレターかなと思いました。雑誌というメディアがまさしくそうであり、古き良き街への愛情(再開発の憂鬱!)、監獄の壁に描いちゃったアート(それをひっぺがす暴挙!)、若者たちの青春(それを奪う体制!)、警察署長の話は…なんだろな、わからないや笑。題材もそうだし、この異常なまでのディテールの作り込みもそうだし、時代と共に失われつつあるものへの愛しみみたいなものを感じました。ちょっぴりの批判も。
そう思うともう一回じっくり見直したくなるな、大きい画面で。誌面のバックナンバーのビジュアルがこれまた素敵だったし(↓画像)。で、相変わらずキャストも豪華で作品ごとにメンツが増えていきますね。イツメンたちの中に今回はティモシー・シャラメにレア・セドゥーも加わっちゃいました。みんなとんでもなく楽しそうだぞ!
あまりにも濃密過ぎて一度じゃ全然味わいきれません。なんかこれは一日中家の中でつけときたい感じ。BGMならぬバックグランドムービー。この映画を完全分析した本が欲しいよ!(来年出るっぽい?) いろいろ想いを巡らせてたらカルチャー熱が無茶苦茶高まってきた。「推し」もいいけど、やっぱり僕はいろんなものに手を出したいタイプなんだな。
よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。
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