月見バーガーの季節、気付けば各社それ的メニューあるのですね。
さて。『ブラックパンサー』(2018年公開)Disney+鑑賞。アフリカの途上国ワカンダ。というのは表の顔で、希少鉱石ヴィブラニウムによって世界で最も進化した驚異的文明国だった。新たな王=ブラックパンサーとなったティ・チャラだったが、前王の秘密と、ワカンダを襲う危機に直面。国を、そして世界を守るため、立ち上がる。
娯楽作であるスーパーヒーロー映画ながら当時のアカデミー賞作品賞にノミネートされたことでも話題だったこちら、なるほど確かに重みのある大作でした。監督のライアン・クーグラーに主演のチャドウィック・ボーズマン、その他技術スタッフも含めて黒人&女性が主要な役割についているのも今でこそインクルージョンライダーがメジャー化してきたけど、当時は重要なポイント。
序盤、大英博物館を襲ったスティーヴンスが、ワカンダ由来の収蔵品を奪う際に言った「お前たちはこれにカネを払ったのか?」という言葉は、植民地化され搾取されてきたアフリカの歴史を象徴していて、この作品がもしもアフリカに違う歴史があったならという可能性を示唆していました。
人類のルーツと言うべきアフリカと、その美しき大自然へのリスペクトが全編通して描かれていて、そこに近未来文明が合体したビジュアルのインパクトはすごかったな。ヴィブラニウム、威力が半端なさすぎる。
そしてブラックパンサーのハイパーっぷりもとんでもなくて、バットマン以上のハイパースーツにスパイダーマン的スペクタクルと、ハルクやソー並みの超人ぶりで、さすがはアベンジャーズの一角。チャドウィック・ボーズマンと、敵役マイケル・B・ジョーダンの『クリード』(続編観ねば)に続く鍛え上げられたカラダによるバトルもまた、シンプルだけど映像技術に頼りすぎない説得力あったわ。
ただそういう背景要素とビジュアルに比べると、話の展開はそんなに複雑ではなく、わりと淡々と進んだ印象。ティ・チャラの内面はそれほどフォーカスされず、むしろ悲しい運命を背負ったスティーヴンスに感情移入させられたかな。それだけにこの結末の哀しきよ。ラスト、その実態を隠し続けたワカンダが開国に踏み切り、そのすべてを世界のため使おうとするくだり、分断の壁を立てるのではなく、それを乗り越える力になりたいというのは響くメッセージだけど、ティ・チャラの言葉にはなりきってなかったと思いました。
ところで、ボーズマンの早すぎる死は本当に悲しいですね。せめて今年公開のブラックパンサーの続編を楽しみにすることで、ご冥福をお祈りしたいと思います。
よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。
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