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感想_追放された転生貴族、外れスキルで内政無双


ウクライナで起きていることが信じられません。断固として抗議したい。


さて。白石新『追放された転生貴族、外れスキルで内政無双』読了。ブラック企業に勤めていた苦労人のヒロは、不慮の死を遂げて転生。その善行が認められて様々なチート能力を授かるも、実の父親から追放される憂き目にあう。与えられた辺境の領地へと向かう道すがら、傷ついた猫耳の少女アメリアと出会って…。

スローライフ系の異世界もの文芸です。冒頭がなかなか愉快で、超まじめでお人好しなヒロの座右の銘は宮沢賢治の雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、なんですが、そのフレーズになぞらえたスキル(水魔法、風魔法への耐性とか)を大量に付与されるくだりが楽しめました。ただのラッキーマンじゃないよ。

中盤以降はスロライものの王道を行く展開。仲間と出会い、助け、生姜焼きだの、から揚げだの、現代日本的な料理を堪能する、と。さらには眼鏡を作ったりもして、前世知識を存分に活用。盛り上がりには欠けるけど、安心して読めるともいう。全体として軽やかでテンポがいいのでサクサク読めます。

最後はアメリアがひとつ困難を乗り越えて、ヒロとの関係も進展して、というところで完。まだまだ内政無双の入り口にも立っていないというところなので、次巻に期待しましょう。とにもかくにも、平和が一番です。

よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

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