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選択のオーバーロードを乗りこなす


コロナによる保育園休園増加がニュースになっていますが、うちの子を通わせている園もついに…。


さて、気を取り直して。「選択のオーバーロード現象」という言葉を新聞で見ました。人は、選択肢が多すぎると選択がしにくくになり、さらには選んだものへの不満感を抱きやすくなる現象だそう。その話は知っていましたが、名前が付いていたのは知りませんでした。いわゆる選択肢のワナというやつです。


よく知られているのは、ジャム6種類の試食を用意すると3割が購入するのに、24種類揃えると購入したのがたった3%だったという話。なんとなく共感できますよね。選択肢が多いと、ハズレが多いような、なぜかリスクを負っているような感じにすらなることがあります。当たりがひとつだとすると、分母が多い方が当選確率は下がる。実際はそんなに単純じゃないでしょうが、そういう気分になることは不思議じゃないし、「やっぱあっちにすればよかった〜」というのはランチのメニューを選ぶだけでも日々起きていること。


今はとにかく選択肢の多い時代。様々な商品・サービスが登場し、そのどれもが消費者の多様なニーズに応えるため、差別化を図るため、重箱の隅、のさらに隅、に穴まで開けて、その先に何が見えるかな?ってくらいに細分化されています。本当はそれは嬉しいことのはずなのに、どこかのフェーズから手段と目的がこじれちゃって、もっとシンプルでよかったのになんて思うこともしばしば。


たまにメニューは一種類のみという飲食店ありますよね。これは選択肢のワナの対極で、この簡潔さがありがたく感じることは、以前より増えているかも。提供者からすると、いろいろなロスが少なくてずいぶん効率的でもありますしね。


とまあ、問答無用の一択から97%が敬遠する24択まであるわけですが、この中でうまくやっていくコツは、「おおらかに行こうぜ」ですかね。多少思ってたのと違っていても生き死にがかかるほどの大問題じゃないでしょうし(ジャムなら特に)、全部を知り尽くしたうえで最適を判断することもおそらくは不可能。だったらその状況を楽しむしかない。忘れてはいけないのは、選択肢が増えたことで、何か損をしているわけじゃないってこと。迷ったり失敗したりする可能性は上がるとしても、それはそういう体験であり相応の対価を得ているはずで、損失ではないと思うのでした。


「迷わせない」ってのは、今後重要な価値観として求められていくかもしれませんね。


よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

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