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感想_キングスマン:ファースト・エージェント



12/30木曜日おはようございます。映画監督ジャン・マルク・ヴァレの訃報が悲しすぎます。『ダラス・バイヤーズクラブ』はマスターピース。

さて。映画『キングスマン:ファースト・エージェント』(2021年公開)鑑賞。1914年、謎の組織により世界を巻き込んだ戦争が計画される。かつて紛争により妻を亡くしているオックスフォード公は、この計画を止めるべく動き出すが、待っていたのは悲劇だった。ヒットシリーズの3作目は、キングスマン誕生の物語!

前2作はスタイリッシュでスノッブなところが最高でしたが、今作はそのノリももちろんありつつ、反戦という、より重厚なメッセージも持った作りで、これはこれで大満足。

前半の見せ場は実在の悪僧ラスプーチンとのダンス要素を取り込んだアクション。ラスプーチンの気色悪さとロシアの伝統的ダンスのムーブとクラシック音楽というトリッキーなアンサンブルが完成してて、ここはキングスマンの真骨頂。3人がかりで倒せないんだから実質最強だったという。てか、なんでオックスフォードの脚治ったんだ?w

息子コンラッドの純粋さと戦地での活躍が華々しかったがゆえに皮肉な結末に胸が締め付けられ、その悲劇を二度と繰り返さないためのキングスマン誕生のエピソードはお見事。やさぐれたオックスフォード公、こう言うのも変だけどカッコ良かったぜ。レイフ・ファインズて上品すぎるんだよなと思ってたけどそれをいい意味で裏切ってくれた気が。中盤がシリアスなので、キングスマンらしくはなく、その辺りがどう受け取られるのかは気になるところ。僕はアリです。

最終盤は再びのキングスマンらしさ満載。キレのあるアクションに生首どすんのトラウマカットあり。ラストの黒幕が小物だったのが玉に瑕ながら、キラーワードの"Manners maketh man."も登場したし、剣視点の映像やシルエットで見せるカットも秀逸でキメるところはちゃんと流儀を通してくれてて嬉しいです。パラシュート落下失敗からのありえない崖登りは笑ったぜ。

アーサー王と円卓の騎士をコードネームとする理由もしっかり描かれて、いい着地だったと思います。ただ一つ、やっぱりエグジーとハリーが見たかったよな、というのは言いっこなしですかね。

ということで、ぜひ前2作予習の上ご覧いただきたいキングスマン。さらなる続編があるのかは知りませんが、このエキセントリック路線をさらに押し進めてほしいな。

よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。

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