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変わり続ける僕たちと、それを写す鏡のようなものたち




12/5日曜日おはようございます。箱根が広過ぎて全貌がよくわからない僕です。


さて。そんな箱根のポーラ美術館で開催中のロ二・ホーン「水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」を鑑賞。水やガラス、アイスランドなど、ひんやりしたモチーフが多く、静けさと示唆に富んだ展示でした。


最もインパクトがあったのは、淡い色の円形のパレットのようなものがいくつも並んだ部屋。水をなみなみと湛えてる、と思いきやこれはすべてガラスでできたもの。外の風景をやわらかく写し込むナチュラルな透明感を感じるも、実は人工物。ガラスだと知っても同じ印象を持つのか、否かを、問われたような気がします。同時にこれだけ精巧なものを作れる技術のチカラも。


テムズ川の水面ばかりを写した写真の展示は、よく見るとそこに小さな数字があり、それは下に書かれたキャプションの合番になっています。これまで、水や川、海は漠然とその集合体だけを認識したましたが、実は同じ流れもしぶきも煌めきも、ひとつもないということを実感。水に限らずそういう、見てるようで見てないことって多いですよね。


アイスランドの日常風景の変遷を展示室の四方に並べたものも、連続したポートレートを並べた展示も、同じに見えて実は変化し続ける私たちの本質を訴えます。これもまた、日頃の思い込みを発露させますね。万物は流転する。


自然に囲まれた美術館のロケーションと合わさって、とても穏やかで、豊かな気持ちになれる作品たちでした。どこかで告知を見て気になっていたのですが、足を伸ばして良かったです。アートはやはり、普段考えないことを教えてくれますね。


よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。


 

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