思ってたのとは違ったけれど。川原繁人『言語学的ラップの世界』(2023年刊)読了。言語学者である著者が、日本語ラップを言語学的視点で分析した一冊。多数のラッパーへの取材や、リリックの分析を通して、日本語ラップを語り尽くす!
ラップにはうとい自分ですが、言語学的視点てどんなだろー?と興味を持った一冊。母音や子音で、日本語での韻の踏まれ方をあれこれ解説してくださっていましたが、一読しただけではあんまりピンとはこなくてすみません。
具体例はいろいろ出ていて、「蹴っ飛ばせ」と「Get Money」とか、「It’s not over」と「静まろうが」とかとか。確かにこれは上手い!って感じですが、母音と子音の話は自分的にはそこまで興味がなかったという話。日本語でライムがしづらいんだ、ということはなんとなくわかった。ダジャレ好きとしてもそこは確かに苦労するしな。
そう、自分としては素敵な韻を踏むヒントになればいいなと思ったし、先達がどんなふうに韻を踏んでいるかが知れればと思ったけれど、そういう感じではなかったかな。すでにある事例を言語学で分析して、こういう法則がありましたよ、という話だったと理解しました。違っていたらすみません。
あとあれですね、韻の話に終始していたので、韻じゃない部分への言及がほしかったんだけどな〜という感じです。詳しくなさすぎてあれですが、creepy nutsの歌詞に衝撃を受けたので、韻もさることながら韻踏んでても踏んでなくてもすげーラップを分析して欲しかった。
てことで本書のタイトルは正確には、言語学的韻踏みの世界、だと思ったのでした。うん、帯には「韻でつながる日本語ラップと言語学」って書いてあったわ。
今日も、いい1日を!
コメント
コメントを投稿