メルカリに出品して早く売れると値付けを間違えた気がしてしまう貧乏性な僕です。
さて。WIREDの最新号「AS A TOOL 気候危機を生き抜くツールカタログ」を読みました。これがなかなか示唆に富んでいて面白かったです。
内容をかいつまむと、テクノロジーの進展と、様々な機器が目の前に迫る空前の時代において、真に役に立つ道具とは何かを考える特集です。道具とは、モノそのものだけでなく、文化や思想、ライフスタイルまでも含んでいて、そういうスタンスは伝説の雑誌「WHOLE EARTH CATALOG」の精神を受け継いでいるとか(読んだことなし)。
実際に多種多様なツール(広義の)が紹介されていて、例えばより長く歩くためのアウトドアグッズに始まり、土を耕し大地を開くための穀物の種もあればウェアや足袋もあれば"不耕起栽培"という農法の紹介も。はたまた音楽のカテゴリでは、音楽レーベルの「DUST TO DIGITAL」や、最近静かなカウンターブームらしい有線イヤフォンとかも(嘘だろ?リバイバル早すぎるだろ、まだAirPods使ったことないってば!)
あまりに幅広すぎて、実用的ではないと思いますが、たくさんある中で、なんだこれ?って気になるものの一つや二つは必ずある気がします。少なくとも、「こんなのあるんだ?全然知らなかったわ」というのは間違い無くあると思います(有線イヤフォンとかね。嘘だろ!(しつこく))。
でも、この特集で価値があると思ったのは、ツールカタログの合間にたくさん挟まれるコラムの方でした。例えば、ガレージブランド「山と道」の夏目さんによる「ウルトラライト」の考え方は、荷物の重さ=価値を知ることを説きます。ものにあふれる今、と同時に断捨離もメルカリも浸透した今、自分にとって価値のあるものは何か。所有する、持ち歩くに値するものは何かを問いかけてくれます。それは、山の中での必要最低限を起点としながらも、それぞれの生活全般に関わるもので、果たしてオレたちは、この人生を何とともに送るべきなんだっけ?という再考を促してくれるのです。最高でしょ?
あるいは、山梨のレストラン「DILL eat,life.」(名店。自分は行ったことないけど、オズマガジンで取材させていただきました)のオーナーシェフ山戸ユカさんが、「料理と食事をめぐる循環について」語ります。身土不二を、体現するその言葉の重みは、共感や憧れを超えた尊敬の念を呼び起こしてくれて、さて自分自身は食と環境について、どんなことを考えたことがあったっけ?と内省の機会を与えてくれるわけです。これもまた大事な食育。
道具をただの物質としてでも、モノとしての背景だけでもなく、それを操る人の思想とともにまとめたことで、これからあるべき暮らしと環境を考えさせてくれる一冊。そして、こんな風に大きなテーマに対して、いろんな人の視点や思考を教えてくれる「雑誌」というもののチカラも体感できました。よかったらぜひ読んでみてください。未来は僕らの手の中って、こういうことなのかもしれません。
よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。
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