さて。映画『ドリームプラン』(2022年公開)鑑賞。リチャード・ウィリアムズは娘2人をテニスチャンピオンにすることを夢見て、78頁にも及ぶプランを練った。未経験ながらあれこれ調べて2人にテニスを教え、学業も決して手を抜かない。期待に応えて成長する2人を無償でコーチしてくれる人物を探しあてるが、しかしエージェントの言いなりには決してならない。その少女の名は、ビーナス&セリーナ。いかにして彼女たちは世界を変えたのか。
ウィル・スミスのアカデミー賞主演男優賞(と授賞式での殴打事件)作品です。今年はセリーナ引退というニュースもありましたね(ビーナスはまだ現役と言うのも驚き)。そのウィリアムズ姉妹がいかにして育ったか、破天荒な父親にフォーカスした伝記映画。原題は「King Richard」。リチャード王の名に相応しいクレイジーさだったぜ。
話の結末は最初からわかっているわけで、姉妹は史上最高のテニスプレイヤーになる。そこにどんなドラマがあったのかって話ですが、いやいやとんでもないパパだったんだな! 厳しくも娘想いなことはよく伝わるけど、とにかく我が道を行くから周りは大変。自分が選んだコーチにいちゃもんをつけ、エージェントの発言に腹を立て追い払い、娘たちが勝利に喜びすぎると謙虚さがないと置き去りにする始末。
それはもちろん彼女たちを守るためであり、チャンピオンにするためなんだけど、どこまでが許されるのか線引きは難しいですね。毒親と言われてもおかしくないモンスターっぷり。でも、彼女たちは頂点に立つわけだからリチャードの大勝利です。感動のシーンとかはないんだけど、でもだからこそリチャードの信念が際立ちます。最後は妻の言葉にちょっとだけ折れたけど。そもそもこの映画の制作に姉妹が参加しているので、基本的に父のことポジティブに受け止めているのかな。
その根っこにあるのは自らの境遇であり、大きくは描かれないけど差別を受けてきた過去。同じ想いを娘たちには絶対にさせない。白人の食い物にもさせない。娘たちもそれを理解してるからこそ、ちゃんとついてきたのだと思いました。テニスより学業などを優先したのはモダンだとも思うしね。
しかし、ウィリアムズ姉妹って若い頃は編み込んだビーズがほどけてパニックになったりわりとお騒がせキャラだったような? セリーナは大阪なおみとの試合でもトラブってたし、そういう気性の激しさはこのパパ譲りなのかもと思いました。あとは、前にも書いたセリーナの自身の子育てについて「守るけどハードワークと規律は課す」的な発言も、リチャードの影響大ですね。自分がその価値を証明しているんだから当たり前だけど。
しかしコート上のテニス選手って孤独だな。大坂なおみは帰ってこれるのかな。アシュリー・バーティ引退も衝撃だし。で、見ててテニスしたいな~って思ったという、いつものオチで終わりたいと思います。
よりみちしながら、いきましょう。今日も、いい1日を。
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